熟年の手習い

熟年老い易くチェロなり難し

グサッときた会話

2006年03月31日 | チェロ

電車の中で大きな声で男子高校生がしゃべっていた。
「あいつ、下りのエスカレーターを駆け上がって行くみたいなヤツや!」
「グハハハハ…」
ううう、無駄な抵抗ってやつですか。
なんだかワタシのチェロの進歩のなさを言われたみたいでグサッときたよ。
老化に勝る習練が必要なのだが…

老化といえば、先日チェロも弾かれる篠田節子さんが日経の文化欄に「老いと手仕事」という文を書かれていた。
篠田さんてワタシより年上だと思っていたら下だった。
もう老い先について思いをめぐらせているとは。

ファッション雑誌にも篠田さんの記事があり、こちらは音楽のお話。
老いも若きも感動が大好きな昨今。(小泉さんの影響でもあるまいが@ワタシ)
受けねらいの大仰な表現、泣かせのセンチな演奏に感動する観客。
そういう類の「泣ける」感動から発想して書いたのが小説「賛歌」だそう。
朝日の連載、読んどけばよかったわ。後悔。

今度ベートーベンのチェロソナタを発表会で弾かれるとか。
すごい腕前ですねぇ。ヘナヘナ。。。
売れっ子作家でよく練習時間が取れるものですねぇ。

そう、老いなのですがリタイアして趣味や旅行、孫の世話に活動的になれるのはヤングオールド。
最晩年、本格的な老いがきた時、昔ならば年寄りに残された手仕事が家庭内に(特に農家に)あり年寄りの居場所があった。
ささやかな生きる支えとなる手仕事を最後まで持つのは、人間本来の習性として案外大切なのではと。

出遅れたワタシですが来るべきヤングオールドはチェロと共にしっかり楽しみたい。
その先は知らん。