まほろば日記

fujioの日常の出来事、記録等を思いつくままに書いた日記です

山の掟 ( 万里の長城遭難事故によせて)

2012-11-07 21:36:17 | 日常
平成24年11月5日
3日、中国河北省、北京郊外の万里の長城をトレッキング中の日本人登山者3名が50年ぶりの大雪と強風のため亡くなりました。日本人登山者1人と中国籍の添乗員の2名は救助されました。晴天なら全く問題とならなかったことだから気象遭難というべきものでしょう。
山の遭難事故の原因はこのような気象の激変、道迷い、転落、滑落、疲労、病気、雪崩等いろいろありますがすべて人間のほうにその原因があり,山にはありません。不可抗力な事故というのはちょっと思いつきませんが精々現在では予知が不可能とされる地震に起因する落石事故くらいではないでしょうか。山は単に人間にその活動の場を提供するだけです。自然の提示する厳しい環境、条件を克服して頂きに立つところに登山の喜びがあります。しかし約束事を守らず、なすべき安全策を取らずミスを犯せば、自然は容赦なく人間を撃ち負かし、時には死を持って償わせます。人間は自然の猛威には勝てません。かなわない時にはジーと耐え、ご機嫌が良くなるまで待つ、そして良くなればその懐で遊ばせていただくだけです。今回の事故について詳しいことはわかりませんが雪に対する装備は持参されていなかったようで軽登山の延長と考えていたところに真冬並みのような厳しい気象条件に遭遇すれば、このような装備ではひとたまりもありません。
一晩で1m近い積雪なら滝のごとく舞い降りる雪のカーテンで一寸先も見えす動くことも出来なかったことでしょう。さらに強風が加われば体感気温はマイナス何十度と想像を絶するものがありよく生きておられたと思います。助かった人はおそらく何らかの防寒装備を準備されていたから助かったのでしょう。それにしてもこの事故を起こしたのが3年前、北海道、トムラウシ山で8人の遭難者を出した「アミュズトラベル社」というから驚きです。今回始めての企画であるのに下見をせず中国人のガイドにまるなげして、事故の責任をいかように取るのでしょうか。事故を起こせば会社の信用は丸つぶれで存続できなるとは思わなかったのでしょうか
前回もガイドの判断ミスが原因で発生したとのことでした。今回も全く同じことのくりかえし、なくなった方も連れて行っていただくとのことでどのような危険が存在するか危険予知がなされていなかったのでしょう。この時期日本でも高い山では雪が降りました。寒さの厳しい大陸の中国でも雪が予報されていたのですから、自分の命を守るため各自の責任で冬の装備は持参してしかるべしと思います。しかるべき結果にはしかるべき原因がある。山での結果は自己責任です。すべて本人に原因があり、責任があります。なすべきことをしない人間には厳しい罰で報いる厳粛な山の掟です。
蛇足ながら、もし彼らが冬山装備を持参し、この困難を乗り越えていたなら翌朝は素晴らしい北京の蒼天に輝く雪の万里の長城と紅葉の素晴らしさに大歓声を上げて喜んでいたことでしょう。天国と地獄は紙一重です。
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