「遠野」なんだり・かんだり

遠野の歴史・民俗を中心に「書きたい時に書きたいままを気ままに」のはずが、「あればり・こればり」

住田町の結婚式

2017-02-26 17:04:15 | 民俗

雪が積もっては融けを繰り返し2月も末。

今年の冬ぐらい、公私ともにバタバタが続く年も珍しいと感想など書くと他人事のようですが、

実は、本当に大変なんです。笑

さて、昨日は、情報を頂いていたこともあり、隣りの住田町へ

 

式の全容は判断できませんでしたが、これだけ観られればという内容がひとつあり、思いを募らせ

 

タイムスケジュールがインターネットに公開されている訳でもないので

祝い事は午前中という私の常識を信じて新郎の家へ行くと

建物の外壁回りに紅白の幕が付けられ、外には、それらしき人たちが大勢。

間もなく何かが始まるであろう雰囲気の処へ滑り込みました。

やがて、準備が整ったところで、仲人と新郎側の人たちが、新婦の家に出向きます。

着くとすぐ、仲人さんと新郎両親、新郎に盃

新郎をお迎えする盃事という意味のようです。

 

新婦の家に入った後は、仲人さんへ新婦をお預けする盃事

仲人、新郎両親、新婦両親という順で盃が回り、その区切り区切りで高砂、養老などの謡曲が唄われました。

新婦の家での儀式が終わると、送り酒

 

近所の方々がご覧のようにお酒を・・・

遠野では観られない内容です。

最初に記した見たいものが、これです!

 

参加されている方々の口から、「オモロー?オモリョウ?オモレイ?」という言葉が飛び交い、

どういう事かと聞いても、はっきりとはわかりませんでしたが、「御諸親様」の読みのようで、

「オモロオヤサマ」を「オモローさん」と云っているようでした。

 

場所を下有住(しもありす)から世田米の町中に移動し、ここでも例のオモローさんの盃事

ここからが迎え酒

以前、縁ある遠野人から、陸前高田に娘を嫁に出す際、新郎の家に着くまでに

何度も盃を飲み干し、えらい目に遭ったと聞いたことがあり、それがどのようなものだったのか

やっと直に観ることが叶った瞬間でした。笑

移動する際には、お立ち酒が唄われました。

この後、一行は新郎の家(今回は公民館)に向かうことになりますが、トラブル発生!

 

パンクです・・・

傍にいた社協にお勤めだという「畠山」さんに、自動車修理工場へTELして頂き、応急措置。

その間に結婚式の一行は世田米を離れており、ここまで観られただけも満足だと自分に言い聞かせ、

レンズ落下からコピー機の故障、そして、ハードディスク昇天etc

次は車では?と思っていたところに、その通りの出来事となり、肩を落とすことばかり

ですが、この車屋さんの事務所では、事務員さんから当時の結婚式の話をお聞きし、

おばあちゃんからは煎餅や飴を頂き、癒されたおじさんでした。涙

 

無理をしないスピードで真っ直ぐ遠野へ帰る途中、偶然にも式の一行が公民館へ着くところへ遭遇

世田米同様にもう一カ所で迎え酒が行なわれたようです。

 

新郎の家に見立てた公民館で結婚式

 

昔ながらの三の膳が用意され、

 

床の間飾り

 

遠野でも同様であったように、ちゅうざ(中座?)と呼ばれる方の進行により、

三々九度から両家へ盃が進められると、最初の盃事同様に謡曲が唄われ、乾杯

祝宴最初の「さんさ時雨」が終わると無礼講となり、外舘甚句が華を添えました。

数十年前に行われた同級生である新郎のお父さんの披露宴を思い出しつつ、撤収。

 

帰ると、現実が待っています。

応急措置の車を遠野おぢさん商会へ持ち込み、笑わせるには十分なこの日の出来事を話して聞かせ修理完了。

 

追記

 

結婚式の中で、ご覧のような物が席についた方々に配られていました。

御膳の残り物をこれに入れて持ち帰るための「すとっこ」と呼ばれる入れ物なそうです。

「ストック」するという言葉にも通じる「すとっこ」 

この気仙弁を覚えている人も少ないようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
厄払い (姫猫)
2017-02-26 17:33:55
住田の結婚式取材、お疲れ様です。
このような結婚式、今では住田でも珍しいのでしょうね。
笛吹さんの一連の災難、小友裸参りに参加して厄払いしないと…笑
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裸参り (笛吹)
2017-02-26 19:09:51
姫猫さんへ
式全体を把握できる人も貴重な存在になっているようです。
遠野とて、仲人を立ててお嫁さんの家に挨拶にいく結納自体が珍しくなってしまいましたよね。
(私は、そう、させられましたが・・・笑)

厄払いは人一倍していると思うので、自分を成長させるための試練だと考えることにします。
裸参りは体力と健康に自信のありそうな姫猫さんに譲ります。笑
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東海新報! (羚英)
2017-02-26 23:53:32
https://tohkaishimpo.com/2017/02/26/150495/
この記事にあったお式だったんですね!
お立ち酒…いいですね(*´ω`*)
私の欲しかったものがそちらにはいっぱいあります…羨ましい限りです。

難儀な事が続いておられますが、身に降りかかる災難の身代わりだと、神仏のご加護が、ご先祖様が守って下さったのだと思います。
次には好い事が続きますよ、きっと!(^-^)
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結婚式 (笛吹)
2017-02-27 08:55:59
羚英さんへ
地域限定のマスコミ関係者が何人かいたようなので、その中のお一人が東海新報さんだったようです。
古式を再現とはいえ、地域の皆さんの協力無しには出来ない内容で、
住田町の良さを再認識できた良いイベントでした。

災いは、もう少し続きそうな予感が・・・。
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なにしたべ (宝飯爺)
2017-02-27 16:59:34
来られた時はまさに「なにしたべ」?でした。(笑)
災い転じて福となす!新年度になれば良いことだらけに
成る事を祈りませう!オラもだけど・・・
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なにもしていない (笛吹)
2017-02-27 20:04:18
宝飯爺さんへ
土曜日はお世話になりました。
災いは、何もしていないことが原因のひとつだとも思えるこの頃です。笑
前もって何かしていれば防げたような・・・・。
新年度から良いことが続くよう、宝飯爺さんも私のぶんまでお願いしておいてください!笑
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