陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

はつ冬の宇治を歩す 亀石楼

2023年11月16日 | slow journey

はつ冬の宇治を歩す初日の最終目的地、宇治川右岸にある老舗旅館“亀石楼”へ。辺りはもうすっかり暗くなっていた。

宇治川の清流にたたずむ閑静な旅館とある。確かに。歴史を繙くと、明治二十四年に建てられ、昭和十年には松下幸之助氏の別荘となり、昭和三十年頃には松下電器産業の保養・研修施設として利用されてきたとあった。昭和六十三年から現在の会社が旅館として経営されている。

レトロな木造建築。そこに佇むとやはり心が落ち着くというか癒される感じがする。久しぶりに集まっての会食である。

こんなお料理は懐かしい。なんか昭和の頃の社員旅行を思い出してしまった。私が入社した昭和五十年半ば、毎年社員旅行があった。新人は必ず芸を披露しなければならなかった。それから時代は進み、若い社員から社員旅行に拒絶反応が出たりして、福利厚生は個々の旅行に補助をするというシステムになった。そしてバブルも弾けてそれも廃止になる。しかし、最近またやはり社員旅行がいいと言う機運もあるようだ。歴史は繰り返すのだろう。私はこういう皆が集まって会食するということは良いと思う。と言いながら私も若い頃は拒否派であった。しかし行けば行ったで楽しかったのも事実である。

取り立ててグルメ好きを堪能させるということではないが、昔ながらの旅館の宴会料理はどれも美味しかった。デザートまで出た。それにしても品数が多いのには驚く。お腹が一杯になってしまった。むろん少ないよりははるかに良心的である。冒頭、宇治らしく乾杯はお茶というのも粋だった。その後お酒も進み、宇治の夜はこうして更けていったのでありました。

一盞(いっさん)に傾(かぶ)く宇治の夜冬ぬくし

◇亀石楼  京都府宇治市宇治紅斉29

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はつ冬の宇治を歩す 観流橋

2023年11月15日 | slow journey

宇治川右岸には激しい流れが水路から宇治川へ流れ込んでいる箇所があります。

関西電力の宇治発電所から放出される水が宇治川へと流れ込む処です。その水路に架かっている橋が観流橋です。この流れはちょっと見応えがありますね。川岸には何人かの若者たちが釣りを楽しんでおりました。

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はつ冬の宇治を歩す さわらびの道をゆく

2023年11月14日 | slow journey

源氏物語博物館を出て“さわらび(早蕨)の道”を世界遺産の宇治上神社へ。

歴史ある神社でございます。平安時代後期の本殿、鎌倉時代建立の拝殿は国宝という。本殿は日本最古の建築物。拝殿の前には「清の砂」という盛り砂がありました。円錐形が見事です。

静かなこじんまりとした神社ですが、なんか気を感じるお宮さんでした。パワースポットですね。

そこから少し歩くと地元宇治の産土神(うぶすながみ)、宇治神社に着きます。学問の神様として有名とか。また合格祈願で「智恵の輪」が例年11月には設置されるそうです。という訳でちょうど潜ることができました。別に合格祈願、私には必要ないのですが笑

宇治神社と言えば“見返り兎”で有名です。祭神である菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)が宇治を訪れる際に道で迷ったとき、一羽の兎が現れ後ろを振りかえりながら正しい道へと導いたという謂れがあるそうな。

両神社とも、もう日暮れだったこともあり訪れる人もまばらでした。故に身も心も清々しいというか、神々しいというか、そんな気を頂きました。

さわらびの道から宇治川右岸の朝霧通りへ出て、少し歩くと“琴坂”の登り口に着きます。その琴坂を登って興聖寺さんへ向かいました。この琴坂、例年のこの時期なら紅葉が美しい坂なのでしょうが今年はまだ全然でした。

紅葉はまだといった所でしたが、宇治川右岸に立派な銀杏の樹があり、その黄葉は見事に噴き上がっておりました。

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はつ冬の宇治を歩す 源氏物語ミュージアム

2023年11月13日 | slow journey

かねてより行ってみたかった「宇治市源氏物語ミュージアム」へ。

源氏物語は新訳を何回か読みましたが、いつも途中で挫折して全帖未だ読破しておらず。日本人ならこれ位は読んでおかないと、と思ってトライするのだけれど…さて生涯でこれを読破できるかな?そんな思いもあっての訪問です。

ちなみに読んだ範囲では「空蟬」と「明石の君」が好きです。

源氏物語全五十四帖の中で、最後の十帖の舞台のなったのがこの宇治です。それにちなんでこのミュージアムができたのでしょう。こじんまりして良い感じです。あまり展示が多いと疲れてしまうのでこれ位がちょうどいいのです。

まずちょうど上映時間になったので「浮舟物語」の映像を観ました。それから紗幕や実物大のセット展示を見学。王朝ロマンを体感しました。やはり宇治十帖の一番人気は「浮舟」です。

“千年の時空を超えて広がる王朝絵巻の華やかな世界”を楽しませていただきました。さて、このミュージアムを出たら“さわらびの道”を辿り宇治上神社方面へ向かいます。つづく。

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はつ冬の宇治を歩す 平等院鳳凰堂

2023年11月12日 | slow journey

宇治と言えば、もうひとつ。そう平等院ですね。これを忘れてはいけません。言わずと知れた十円玉の舞台です。

極楽浄土の宮殿をモデルにしたのが鳳凰堂ということです。昔はお宮さんかなと思ってました。阿弥陀如来像や雲中菩薩像が安置されているのでれっきとした寺院なのですね。

話は逸れますが、京都勤務時代、よく一緒に仕事をしていた某テレビ局の人と私が同じ大学のOBで(彼は一学年下でした)、そのTVマンの大学の友人が鉄道マンでしたがこの平等院の息子でした。出身大学が同じというよしみもあって、三人で京都で食べ歩いた思い出があります。

しかしここを訪れるのはもう小学生以来ではないかな?その時の記憶は残ってませんが、また新たな気持ちで水面に映る静かな鳳凰堂をしばし眺めておりました。今年は紅葉がことのほか色づきが悪いのか、ここ宇治でもまだ三分か四分といった色づき。見頃はやはり11月下旬でしょうか?

やはりここにも外人さんたちが沢山拝観しておりました。

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はつ冬の宇治を歩す 宇治川畔

2023年11月11日 | slow journey

俳句の吟行会で宇治を歩きました。久しぶりの宇治です。久しぶりと言っても数十年振りという位久しぶりでした。

初日はJR宇治駅で下車して宇治橋通り商店街を抜けて宇治橋へ。商店街には宇治は京都の茶舗の名店が軒を連ねています。

橋の中ほどにせり出した“三の間”からしばし全景を眺めておりました。宇治川は意外と迅い流れなんですね。橋の袂には紫式部像と夢浮橋の石碑が。ここは宇治橋を背景にした撮影スポット。みんな記念写真を撮っていました。

やはりここでもインバウンドの外国の方たちを沢山見かけました。

宇治と言えば、源氏物語宇治十帖の舞台であり、そして茶処。と言えばこの時季の花は“茶の花”。至るところに咲いておりました。他所でみる茶の花と比べてとてもふくよかなのにはちょっと驚き。さすが茶の町ですね。

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甘いもの選 スティック ミルク チョコ

2023年11月10日 | slow gourmet

チョコレートを頂きました。業務用チョコでは世界第三位という不二製油さんのチョコです。一般には市販されてないとのことでした。株主優待品とかふるさと納税返礼品として使われているようです。

「SUSTAINABLE ORIGINS」(サステナブル・オリジン)と英文表記がありました。調べると不二製油サステナブル ココア プログラムとことのようです。“不二製油の「サステナブル・オリジン」は、不二製油独自の「カカオ豆購入による資金援助」を行う活動です。基準を満たしたカカオ豆にプレミアム(支援金)をつけて購入することで、生産農家の課題を改善する活動を支援します”

SDG’sな取り組みですね。つまり児童労働の撤廃、カカオ農家の生活向上、森林破壊の防止と保全がテーマとなっています。

ところでもはや企業は自社の利益を追求していくだけではその存在価値は持続できない時代になっています。会社員時代、小生はコーポレート・コミュニケーションを専門とした広告活動に主に従事していました。「ナンバーワンからオンリーワンへ」から「メセナ」へ。そして今の時代は「地球・家庭に優しい企業」へ…。企業のアイデンティティも時代と共に変遷しています。企業も良き市民であらねばならない。「コーポレート・シチズンシップ」がより一層問われているのですね。企業経営もそのミッションを忘れては存在すらしなくなるのは、ついこの間世間を騒がせた某中古車販売会社の例が如実に示しています。

おっと、おっと、また話が脱線してしまいました。これはグルメのコーナーでした笑 不二製油さんは優良企業です。入社した時の直属の部長さんがこの会社を担当していました。大豆たんぱくの会社ということはよく知っていましたが、チョコレートのことはあまり知りませんでした。美味しかったです。月並表現ですけれど。ごちそうさまでした。

◇STICK MILK CHOCOLATE(社内販売品)             不二製油株式会社 泉佐野市住吉町1番地

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街の面白看板 道の駅ポスター

2023年11月09日 | slow culture

道の駅をPRするポスターを見つけた。最近はアニメのヴィジュアルが人気である。やはり若者への訴求にはアニメ風がいいのだろう。道の駅へ若いドライバーたちを呼び込もうという戦略だろう。しかし、今の若者たちはあまり車に乗らない。

話は遡るが、私の世代ではデートには車が大きな位置を占めた。1970年~1980年代当時の若者たちは高い金利のローンで車を買った。そして週末になるとドライブデート。須磨や垂水辺りの海沿いのかっこいいお店に入ってお茶や食事をするのがお決まりのデートコースであった。カー音楽はカセットである。AORなんかが流行っていた。

その当時は自動車のCMなんかも花盛りで皆カッコよかった。ケンとメリーのスカイラインなんてその代表だろう。「次はあの車に乗りたいな」なんてCMを見て多くの若者たちは思った。かっこいいライフスタイルを提示したCMは憧れであり、それ故購買意欲を掻き立てた。今思えばテレビCMが効いた時代だったのだ。

私が当時好きだった車はいすゞの117クーペ。ジウジアーロデザインのあの丸みを帯びたフォルムはとても美しかった。サーファー仲間内ではゴルフやワーゲンやアメリカ仕様のステーションワゴンが流行っていた。あの当時の方が車のフォルムはみな個性的だったと思う。今の時代の車はみな同じデザインに見えて仕方ない。

話をもとに戻そう。さて人口減少時代、若者も少ない。自動車もガソリン車から電気自動車へシフトしていく。モータリゼーションもパラダイムシフトが急速に進んでいっている。でも車がある限り道の駅はなくならないだろう。ここが新たな情報や物流、人流の拠点になる可能性は大いにあると思う。

でもなんでこのアニメの女性はハイヒールなんだろうかと実はそれが気になっている。関係ないかな?

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聖地巡礼

2023年11月08日 | slow journey

映画やアニメの撮影場所を巡る旅が人気である。「聖地巡礼」と言うそうな。最近は住まいのすぐ近くでもドラマの撮影が行われて、今それが放映されている。カメラを通して我が街を見るとまた違った印象になるから不思議である。それはつまり、人間は身近なものを如何に客観的に見ることが難しいかを物語っている。俳句なんかでも自分の作品を客観的に見て自選をすることが如何に難しいかと同じ理屈だ。

さて、芒の名所である砥峰高原はまた映画のロケ地としても有名である。メイン写真の石碑は「ノルウェイの森」の撮影地点に記念に建てられたものだ。交流館の目の前の木製デッキには、映画「ノルウェイの森」(2010年)、大河ドラマ「平清盛」(2012年)、大河ドラマ「軍師官兵衛」(2013年)、映画「燃えよ剣」(2019年)のバナーが設置されていて記念撮影場所になっている。ちょうど結婚する二人の撮影が行われていた。最近はこういうマリッジ撮影がブームである。

砥峰高原は芒もあるが「ノルウェイの森」の撮影場所でもあったのでぜひ訪れてみたかった。あの小説はベストセラーではあるが私にとってもとても鮮烈であった。同窓の先輩という村上春樹さんだから作品はほとんど読んでいるが、そんな作品群でもやはり「ノルウェイの森」が私のベスト作品である。映画が封切りされたときはすぐに観たが正直よく解らなかった。小説からの期待値が高過ぎたのかもしれない。いつも思うのだが、ベストセラー作品は小説を読んでから映画を見るより、映画を見てから小説を読んだ方がうまくソフトランディングできるのかなと思う。

映画ではないがドラマの「大地の子」なんかは小説とドラマでは印象が全然違ったし、どだい小説を映画にすべて求めるのはナンセンスというもの。それは解ってはいるのだが。村上作品で言えば、「ドライブマイカー」はダントツに映画の方がよかったと思う。小説は短編だしもっと淡泊だったように思う。松本清張の「砂の器」はどちらも最高であった。好きな作家トーマス・ハーディの「テス」も忘れらない映画だ。

小説も好きだし映画も好きだ。ということは両者をつなぐものは脚本ということになる。いい脚本の映画はやはりいいということだ。これからも積極的にはいかないが、時間と機会があれば聖地巡礼をふらっとときどき行ってみたい。ふらっと思いついていくのがいいのである。

 

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幸せ昼ごはん 道の駅にて

2023年11月07日 | slow gourmet

兵庫県神崎郡(兵庫県の真ん中辺りです)の道の駅でお昼ごはんを頂きました。道の駅は「銀の馬車道・神河」と言います。藁ぶき屋根の建物があったりしてこじんまりした田舎の母屋っていう感じの道の駅です。

かんざき大黒茶屋にてお薦めの定食を頂きました。一押しはどうやら「銀の馬車道定食」のようです。穴子まるまる一匹の天ぷらに、姫路のブランド豚桃色吐息豚のコロッケ、そして但馬鶏の唐揚げがメインです。なんで穴子なのかはよく解りませんが…笑

全部美味しかったのですが、特に私は但馬鶏と付け合わせのキャベツが印象に残りました。特にキャベツが美味い。都会のスーパーで買うキャベツとは明らかに違う。甘味もあるし優しい食感。さすがに野菜は都会で流通しているものとは違うなと思いました。「なんや!キャベツを褒めるんかいな(..)」と言われそうですが、丹波地鶏もしっかりした肉の食感があり美味しかったです。

平日はこの丹波地鶏定食もありますし、またその地鶏がお代わり自由という丹波地鶏食べ放題定食もあります。後で入ってきた現業の勤め人たちがそれを注文していました。平日は結構近隣の勤め人たちのランチ処として機能しているのでしょう。

道の駅で柚子と野菜を少し買いました。これも楽しみのひとつです。何より野菜は圧倒的に安いのが嬉しいですね。それに新鮮です。ごちそうさまでした。

 

◇道の駅 銀の馬車道・神河             兵庫県神崎郡神河町吉冨88-10

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