陽だまりの旅路イスキア

あ、slice of life…日向香を感じる日々の暮らし…

安芸の旅人 松島遊覧

2009年08月02日 | slow journey

日本三景の中で最後に行けてなかった
東北・宮城は仙台の松島を遊覧船で巡る。
これで安芸の宮島、天の橋立と続き
やっと三景制覇だ。わたくし的
目標のひとつがやっと満願成就である。

梅雨時で天気はあいにくだったが
遊覧船は沢山の観光客を乗せて出発。
中国人の観光客がここでも結構多かった。
船が出航すると、その後を
沢山のウミネコたちがついてきた。
かっぱえびせんを150円で買って
デッキでウミネコに投げる。
これが面白くて観光そっちのけで
かなり夢中になってしまった。
とても上手に取るのだ。
繰り返すうちに、コツをつかむ。
ウミネコの進行方向へ少し先へ
えびせんを投げるとうまくくわえる。
しかし、このウミネコたちの
飛行技術は感嘆するほどすごい。
グライダーのようでもあるし
海面へ急降下もする。しかし
これだけ乱舞していても、決して
他のウミネコとぶつかったりはしない。
本当に上手なものだ。

「こんな無心で遊ぶ姿、最近記憶にない。」
連れ合いに言われてしまった。
いやはやなんともあな恥かし…。

松島は、宮城県松島湾内外にある
大小260余りの諸島のことを称す。
奇岩の島など、なかなか
見ごたえのある島々もあって
おそらく、江戸時代などの昔は
さぞ絶景だったのだろうが、いかんせん
周りの現代社会が織りなす景色が…
どうも非日常の旅心地を削いでしまう。
遊覧船が出航してすぐに
鉄くずのスクラップ山が見えたり
湾内工場のクレーンの林立が見えたり。
興をそがれてしまうのが残念だった。

地方経済の発展と景勝地の保全
難しい問題なのだろうね。ここでも。
ここは、安芸の宮島や天橋立と違って
景勝地の範囲が湾内一帯で
とても広いから仕方ないのかも。

ガイドさんに尋ねる。

「ウミネコはかっぱえびせんばかり食べて
メタボにならないのですか?」
「とても元気ですよ。」との答え。

なるほど。
やはり自然のものに比べて、えびせんは
栄養価は高いから元気になるのか?
こんな餌があれば自然の餌なんて取らないかも。
でも、やはり…
毎日食べればウミネコと言えども
体にはよくない気もするのだが。
海の生き物だから塩分には強そうだが。

松島を一望する観瀾亭で
伊達政宗公遺訓を買い求める。
ガイドのおじいさんが

「これはここでしか手に入りませぬ。
役所が維持のために販売しているので安い。」

うまい口上に乗せられて買ってしまう。
徳川家康公、水戸光圀公と並んで
日本三代遺訓と称されているのだそうだ。

“仁に過ぐれば弱くなる
 義に過ぐれば固くなる
 礼に過ぐればへつらいとなる
 智に過ぐればうそをつく
 信に過ぐれば損をする”…以下続く

なるほどなあ。
この観瀾亭から眺める松島の月は
ことのほか美しかったらしい。
できれば、その頃に
タイムスリップして観て見たいものだ。

■(写真)松島遊覧船デッキにて
  ひとりで海を眺める女性。
  本文とは関係ありませんです。
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