漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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ひたパン、つけパン・ドライマウスも漢方対策で

2010-11-19 | 老化・血流
「僕はつけパン、私はひたパン」とパンをスープに浸して食べるCM、
見たことあります?

それで、幼いころに祖父母がそんな食べ方をするのを見て
妙に気になったことを思い出しました。
家に帰ってさっそく真似して、牛乳にパンをぎゅうぎゅうに
浸して食べてたら、母に叱られたっけ

あれからウン十年。歳を重ねるにつれ、朝食のパンの喉通りが悪くなった。
トーストしたパンの耳の角なんかは、思わず紅茶に浸して食べたりする
そのたびに微かな罪悪感がよみがえる。

ま、歳をとったのだからしかたがないと思えばそれまでだけど、
最近ではこれを、加齢による「ドライマウス」といいます。
唾液分泌量の減少つまり口中の潤い不足。
大きなお世話かもしれないけど。

ドライマウス(唾液分泌量の減少)の諸症状

・口の中がネバネバする
・口の中がヒリヒリ痛い
・よく水を飲む
・パンや煎餅など乾いたものを食べづらい
・味がわかりにくい
・しょうゆやミカンなどがしみる
・しゃべりにくい
・口臭が気になる
・虫歯や歯周病になりやすい
・水を飲むために夜間起きる
・舌や唇がひび割れる
    参考)ドライシンドロームbyKISSEI

ん~、思い当たる症状がけっこうあるかも
しかも気になりだすと結構深刻になりやすいデリケートな症状。

ところでドライマウスになる原因は、加齢だけでなく、
寝不足や疲労蓄積、口呼吸、ストレス、風邪や発熱によっても
唾液の分泌量が低下することがあります。
糖尿病、シェーグレン症候群、腎不全などの病気、
または薬の副作用や放射線治療の副作用の場合もあります。


漢方的に考察すれば、津液不足とか陰虚、燥邪侵襲などで、
これに対応する潤いを補う処方がさまざまあります。

気楽に漢方のサプリメントとして販売されているものを利用するのも良いでしょう。
百潤露(ひゃくじゅんろ)60包 5,250円(税込)
口に含むとしっとりした心地よさが広がります。

これに配合されている生薬は、
「百合(びゃくごう)」「北沙参(きたしゃじん)」「玉竹(ぎょくちく)」
それは、「百合根」「浜ボウフウの根」「アマドコロの根茎」
皆、肺を潤し咳を鎮める働きを持っています。

のどのイガイガかさつき感やから咳のときにもいいでしょう。
朝起きたらこれでうがいするのもおすすめ。

 

ところで、加齢とともに干からびるのは口だけにとどまらず、
粘膜各所(口、のど、目、胃腸、膣など)それにもちろん肌も・・・

それで、私も陰虚対策の漢方薬を飲んでいる。いつまでも若々しくいたいし
で、昔に比べてその効き目が実によくわかるようになったのは、
やっぱり干からびてきてる証拠だなあ。くやしいけど・・・

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (pochiko)
2010-11-19 23:39:41
「僕はつけパン、私はひたパン」このCM見た事あります!
これで思い出すのは、小学校の給食の時
脱脂粉乳…いつの時代だって(笑)
不味くてみんな残すんですよ。
そしたら担任の先生が、ミルクにパンを浸して食べると美味いって。
その事を思い出しました^^
年を取ると、水分の多いものを先の方が良いですね。
うちのばぁちゃんの食事の時も、トロミを付けた水分を先に食べさせます。
そうすると喉の通りが良いようです^^
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pochikoさんへ (やく)
2010-11-20 16:12:40
出ました!脱脂粉乳。
担任の先生の努力が涙ぐましいデス。
(と言っても私は脱脂粉乳嫌いじゃなかったけど)
あのCMを見て妙に懐かしく思ったのは私だけではなかったのですね。(ホッ・・・

私の母の時も嚥下障害が出てからは飲み物にもトロミをつけてました。
そういう工夫、大切ですね。若い時には思いも及ばないことですけど。
だんだん自分で実感するようになるのも、複雑な気分。
漢方飲んで頑張ります。

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Unknown (ピロ)
2010-11-21 01:32:14
実は私も唾液の出が悪いようです。
十年前におたふく風邪にかかり、髄膜炎になった時は全くひどかったです。

膣のうるおいの場合もそうかと思っていたけれど、あれは脳の活動の気がします。

脳が体のコントロールをしていると思うんだけど、脳をうまくだます事を考えてもいいんじゃないかな~。
梅干を見ると唾液が出るもんね。
返信する
ドライになってきています ()
2010-11-21 20:16:53
ドライマウスというのが、実際なってみるとどういう感じが上手くわからない・・と思っているうちは、きっとドライマウスじゃないですよね?
以前、薬の副作用で、口の中が妙に泡立つ感じになった事があるのですが、あんな感じかなと思ってみたり・・・

でも、ここ数年、身体がひからびて来ている感じは、実感としてあります。

母の入院中、はあはあと苦しそうに呼吸するせいか、舌が割れてしまってかなり痛々しかったです。
まさにドライマウスですね。
ジェル状の薬を舌に塗ってました。

それから、その昔、祖父母宅では、必ず昼食には、裏の牧場から配達された絞り立ての牛乳を沸かしたものとトーストという取り合わせで、祖父はちぎったパンを牛乳に浸していたのを思い出しました。
やっぱりドライマウスだったのかなー・・・
私は、これでもかという程、イチゴジャムを乗せて食べてましが・・・
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ピロさんへ (やく)
2010-11-23 17:50:36
梅干しの条件反射の状態と、いつも肌や粘膜が潤っているかとは少し問題がことなるでしょうね。(残念ながら)
おそらく脳をだましても、年齢による衰えはだませないかも。(きびしー)

実は膣の乾燥を悩んでいる人は意外に多いのです。
ドライバジャイナという呼び名もあり、西洋医学的にはエストロゲン(女性ホルモン)の減少が原因で、閉経以降に急増します。
そこで話題に上ったのが女性ホルモン作用があるという、ご存知大豆イソフラボンですね。
でも大豆に限らず様々な食材の中にも潤いを補う作用をもつものがあり、それが漢方薬にもなっているってことです。
食べ物で、より若々しく。

もちろん、恋をすれば若返られますけどね。
これを「脳をだます」というのかも。
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翠さんへ (やく)
2010-11-23 18:02:36
まだその感覚がわからないのは若い証拠!
それをぜひキープしてください。
ドライでなくても「裏の牧場の牛乳にパンを」浸して食べたいです。

歳をとるほどドライ症状は深刻になってきます。
お年寄りは舌の痛みを訴える方がとても多いです。
パンだけでなく煎餅類も口の中が傷だらけになりそうなくらい傷むようです。
粘膜の潤いがなく傷つきやすいのでしょう。
入れ歯だったりするともっとひどい痛みになることでしょう。

年齢とともに、昔不思議に思ったことにも納得がいくことが多々あります。
そんなとき、気づいてあげられなかったことを後悔するのですが、
それはまさに「孝行したいときに親はなし」。
このことわざの意味を知ったのもこの頃です。
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