漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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理気薬が効かなくなってきたという胃腸虚弱の患者

2023-01-25 | 胃腸
代謝のリズムが妨げられると「こわばり」が生じ、凝りや張り、痛み、つかえ、イライラうつうつなど多種の症状が出ることがある。
これを「気滞」といい「理気薬」で取り除くと、すーっとこわばりがとれて、様々な不快症状が消え去る。
理気剤は案外速効性があり、効いた感を実感できるので気に入っていただける患者は多いのだが、気滞を起こす原因を改善しなければ、また症状が再発してしまう。

たとえば、
お腹の張りが強く、げっぷやおならが出てつらいというストレスの多い男性のこと。
元来冷え性で少食なので、理気薬に補気健脾薬を合わせたいところだが「人に勧められてきたが漢方薬は初めてだし・・」と漢方薬に対する不信感もあるので、まず理気薬をお渡しした。

すぐに効いてとても喜ばれ、引き続き同じものを購入されたが、相変わらずストレス続きで疲れがたまりやがて「以前のように効かなくなってきたと」いう。新たに補気健脾薬を毎日服用するようおすすめしたのだが、理気薬のように頓服でスッキリとはいかないせいか、すぐに飽きて服用を止めてしまった。

理気薬を上手に効かせるには自身の力が必要で、これが弱いと作用が落ちる。
補気、補血、補腎などして弱い部分を元気にしていくには、日々続けていくことが必要。それは食事で言えば、毎日食べて体をつくる主食みたいなものだろうか

毎日続けるべきものと、その時々に使えばよいものを分類できていると、上手に体調コントロールができます。
その後その男性は、再度じっくりご相談くださり、理気と補気健脾で体調を上手に調整している

ソシンロウバイが良い香りを放つようになった。白梅も咲き始めている。



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