耳鳴りはいくつかのタイプがありますが、年齢とともに現れる耳鳴りは老化現象でもあり、「年だからしかたないよ」と言われてしまうのですが、放置するとその後は難聴、つまり「耳が遠い」おじいさんやおばあさんになってしまうので、そうなる前にしっかり「補腎」したいものです。
50代後半男性。耳鳴りが気になって仕方がない。
すでにお手持ちの漢方薬(病院でこれまで耳鳴り対策で処方されたもの)も併用して使えるものがほしいというので、補腎も兼ねた「滋腎通耳湯」にしたが、残念ながら数か月たっても自覚症状はあまり変わらない。
「お手持ちの漢方薬」がやっとなくなってきたところで、処方変更。
滋腎通耳湯では補腎の力が足りないのかもと考えて杞菊地黄丸に変え、病院処方の活血薬も変えて3,4か月続けたところ、かなり耳鳴りが改善した。
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いずれの漢方薬にも「耳鳴り」という効能はない。
漢方薬は「西洋医学的な病名」ではなく「体質(証)」によって選ぶものだが、現在、漢方薬に西洋医学的な効能効果が定められているのは、つらいところだ。
だが、「腎虚」による耳鳴りには杞菊地黄丸などの補腎剤は欠かせない。
今回の症例は、中医学の卓越した知恵を実感した。もちろん杞菊地黄丸は、かすみ目、疲れ目など目の症状にも頼りになる。
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目も耳もよさそうな野鳥たち、コハクチョウ、マガモ
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オオハクチョウ。体重は10kg前後あり、これが飛び立つときは迫力がある。
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