漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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冲方丁著「光圀伝」・政治家の作り方

2013-03-05 | 
「abさんご」が音読したくなるのは口語の美しさであり、
言い回しの妙というか、それがひらがなのしたたかさなら、
「光圀伝」は漢字の豊富な情報伝達力のすごさを見せつけたって感じ。
漢字は一字ごとにたくさんの意味をあらわすことができ、
一を聞いて十を知れってとこで、ぐつぐつ説明する必要がない。
やっぱ男の文学かもしれません。

たとえば「美事である」と言うセリフ。
「みごとである」ならふ~んって感じだけど、この漢字だと、
行いがスマートでファンタスティックで、まったく美しくやり遂げたと絶賛する言葉だと感じる。


聞いたこともない四文字熟語もいっぱい登場して
できればいちいち辞書をひきたいけど、ストーリの面白さに先へ先へと行きたい。
もったいないことにすっ飛ばしてしまって、やっぱり読み終わった後に
記憶に残らず自分の語彙が増えていない・・・

「大義」。
その大義がその時代に本当に大義であるかどうか。
それをこんなにも追求し続け「泰平」の江戸時代を守り抜いたこの人物伝を読むと
思いつきで政治家になろうなんて思っちゃいけないなあと思ってしまった。

近所の梅。
水にされるはずだった光圀を生んだ女性谷久子が、その時に庭に種を植えたのが梅だったそう。
以来光圀は梅を大事にしている。

冲方丁(うぶかたとう)1977年、岐阜県生まれ 
自宅は福島県福島市にあるが、2011年3月11日に発生した東日本大震災により母と妹夫婦の住む北海道池田町に避難し、そのまま十勝地方に移住する意向である
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