漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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紫河車(しかしゃ)考・胎盤エキス(オリヂンP)

2011-06-04 | 生理・生理不順・生理痛
漢方生薬のひとつである『紫河車(しかしゃ)』とは、胎盤のこと。

不妊症や無月経などの対策に、ほかの漢方薬と合わせて用いると
結果が出るのが速いなあというのが、個人的な感想。
特に30代半ば以降、目立って生殖系は老化してくるので、
いろいろ対策してもなかなか結果が出ないという人はこれを
服用してみるといいかもしれない。

      

昔から、体の回復したい部分と同じ臓器を食べるとよいといわれていますが、
(たとえば、腎臓病にはブタマメ(豚の腎臓)、胃腸虚弱には鳥の砂肝。
肝臓の疲れにはもちろんレバー・・・)
そういう意味では、胎盤は生殖系が弱い人にぴったりな栄養剤というわけ。

こじつけの単純すぎる発想のようでも、やはり自然の摂理というか、
いろんな動物は元をたどれば同じだから、それを食べることによって
同じ臓器の栄養になるんだろう。

      

さて、いきなり胎盤と聞いてぎょっとしている人もいるでしょうから、説明を。
お産の後に後産(あとざん)と言って、胎盤が子宮内からはがれて出てくる。
これが紫河車。
漢方の解説本には、「紫河車:人の胎盤」と書いてある。
(ぎょぎょぎょっ・・・
約2千年前、中国を統一した秦の始皇帝が不老長寿の妙薬として愛用し、
男女不妊、不育症や虚労諸病症に用いられていたそう。

野生の世界ではお産の後、母親は後産の胎盤を食べるのが当たり前。
このことによって母体の回復を早め、元気に育児ができるらしい。
しかし人間では人道的、その他もろもろの問題もあって、
医薬品として販売されている胎盤エキスは豚の胎盤が製剤化されています。

美容対策の切り札的存在は「プラセンタ」
アンチエイジング対策としてポピュラーで
最近では、「プラセンタ注射」なんてのに通っている女性もしばしばいるみたい。
これこそ「胎盤エキス」です。
たしかにオリヂンP(胎盤エキスの商品名)を服用していただくと肌ツヤがよくなる。

紫河車(しかしゃ)
性味: 甘・鹹、温
帰経: 肺・肝・腎
効能と応用:
1、補腎益精・助陽: 真陽虚の元気がない・腰や膝がだるく無力・冷える・寒がるなどの症候に(鹿茸・淫羊カク・巴戟天などと用いるとよい)
  腎陰虚の遺清・潮熱などに
2、益気養血: 気血不足による不妊、乳汁分泌不全などに(単味あるいは人参、熟地黄などと用いる)
3、肺腎陰虚の慢性咳嗽・痰に血が混じるなどの症候に(単味あるいは天門冬・麦門冬・百部・山薬・五味子などと用いるとよい)
※長期服用してはじめて効果がある
(参考・中医臨床のための中薬学)

ちなみに当薬局で取り扱っているのは商品名「オリヂンP顆粒」
小児の虚弱体質の改善にも使えます。


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