漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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ミュンヘン(映画)

2006-02-13 | 映画
この作品をすばらしい映画だと評価するのはとても悲しいことだけど・・・

爆発の音が重苦しく、心臓の底から臍の奥へと響く。
いよいよ計画を実行する直前の逃げ出したいような震える時間・・・
次々とこなしていくうち、穏やかだったメンバーの顔が異様な表現しがたい暗い形相に変わっていく。

アメリカに戻ったアブナーが言う「殺さずに捕まえろ」と。
テロリストを殺すためのテロを行う限り、双方きりがないのだ。そのセリフの遠くにニューヨークのツインビルがくっきり立っているのがなんとも皮肉。

きりがないだけではない。どんどん加速度を増して増殖するのだ。
たけのこのように次々と後釜が出現し、殺さなければならない人数がどんどん増える。
そしてテロリストを追っていたはずが、殺した瞬間から追われる立場になる。

絶えず、自分を相手への憎しみの中に置いていなければ、苦しくて生きてゆけない。いったんテロに手を染めたら、一生安住の場所はないのだ。

この悲しいテロの連鎖をいったいどうやって断ち切ればいいのだろう。
もしも神が人間を創造したのならば、この悲しい人間の性にいったいどんな希望的な意味があるというのだろう。

監督:スティーブン・スピルバーグ

あらすじ

★★★★★