江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

泣き出した女性

2012-08-16 19:05:43 | 日記
明日、朝早く瀬戸内に。
随分髪が伸びたので、整髪に行く。

私の目の前の鏡の裏側に、若い女性が坐った。
高校1年生で、部活の規定から長い髪を切らなければならないと言う。
確かに長い真っ直ぐな髪が足元に落ちていくのが見える。
最後のドライヤーが掛けられているとき、
彼女は突然泣き出してしまった。
何事かと、それまで冗談ばかり言っていたおじさん二人は
―もちろん私と、私の担当の美容師―
黙りこくってしまった。

私には良く事情が飲み込めなかったのだが、
後で聞いた話しでは、
その娘は、小さいときからストレートパーマをかけて
ずっと髪を伸ばし続けてきていたとのこと、
美容院に来たとき、既に不安な顔をしていたそうで、
そういうときは大体こういう結果になると見越して
少し長めにカットするのだそうだが、
部活で規定されているからそれもできず、
担当していた、私たちより若いけれどやはりおじさんは
グッタリと疲れ切っていた。

子どものときからずっと髪を伸ばし続けてきた女性には、
考え方が凝り固まっている人が多いという。
男性と違って女性は、いろんな髪型が出来るのでたのしいだろうに
と思うのだが、
そうではない女性がいるとは、知らなかった。

人類は多様である。
と同時に個人も多様で、様々な可能性を秘めていると、私は思う。
髪型で自分の意識を固定化してしまうほどもったいない話しはなく、
若いうちは特に
素直な自分を知ることも、新たな自分を知ることも
とても大切なのだ。

帰って行く彼女を見たら、なかなか良い髪型をしていた。
きっと仲間たちに褒められて、納得するのだろうと
おじさんたちは見送っていた。
コメント (2)
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