江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

文化と戦争

2015-09-13 22:52:58 | 日本の文化について
オリンピックに向けた騒動と安保法制の動きを見ていて、
これは連動していると感じている人は、少なくないのではないか。

明治維新以降富国強兵を進めて、
日清戦争に始まり太平洋戦争に敗れるまで、外国との戦争続きだった。
乏しい私の歴史知識では、それ以前は秀吉による朝鮮出兵になる。
そしてそれ以前になると、攻め込まれた元寇の戦いを除くと
白村江の戦いになる。
日本列島内での権力闘争はあっても、
外国に出兵したことは、実にまれだった。
だから明治維新以降の対外戦争の歴史は、実に珍しい時代と言えよう。

何故なのだろう。

私は、廃仏毀釈と国家神道も含め、文明開化による日本文化の切り捨てが
大きな原因だったのではないかと思うようになっている。

今回のオリンピックでは、1度も誰からも「日本らしさ」を唱える
言葉を眼にも耳にもしていない。
エンブレムに至っては、”T" にこだわったから、
アルファベットを使用する国・地域に似たものがあって
当たり前とも言えるだろう。
日本には漢字・ひらがな・カタカナと言う3つもの文字を持っていて、
これは世界でも稀なのだ。
しかも崩し字まで含めると、
この豊富さは世界中探してもないだろう。

競技場にしてもそうだ。
宮大工は、曲尺ひとつで建物を建てていく。
曲尺は尺貫法で禁止されている。
これこそが元凶なのだ。
曲線が良いと言うが、日本には破風と言う見事な曲線がある。
それも曲尺だけで作ってしまうし、またいろんな形がある。

温故知新と言うのに、この状態は第2の日本文化切り捨てなのではないか。
つまり明治維新以降の歴史を、
これから再び辿る可能性を秘めているのだ。
そしてそこに安保法制。

日本文化は、日本語があってこそ成り立つ。
ところが世の中は、英語教育ばかりに関心が行って
幼児期に必要な日本語教育がおろそかになっているとしか思えない。

以前東海林さだお氏の4コマ漫画『アサッテ君』に
「最近、においを香りって表現する人多いような気がするナ」
とあったうえで料理の先生が、
「イカのハラワタの香りって嫌な香りですものね」
と言うのがあった。
こんなこともあるのだとぐらいにしか思っていなかったが、
先日川崎の工場火災の時、
テレビのリポーターが
「この辺りも煙の香りがします」と言っていた。

言葉は、大人の会話を聞いて、大人と話して子どもは覚える。
その大人が、会話力を失っている。
とりわけ政治家が・・・
会話力を高めないと、営業力も交渉力も落ちて
実は経済に影響があるのではないか
企業人はもっと危機意識を持つべきだろう。

もっと日本文化を意識すべきだ。
そうすれば、安保法制案のような自分で説明できないようなものは
出てくるはずがない。
日本文化を切り捨てては、どんなに国が強要しても
愛国心は生まれるはずがないのだ。
コメント
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