江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

守破離

2015-09-04 00:03:38 | 人形について
大道芸に出て2年ぐらい経った頃
新宿の伊勢丹前で大道芸をしていたら、
私の人形の遣い方が雪斎に似ていると言う人がいる。
はて、よく知っている人だなと思い、名前を尋ねたら
竹田扇之助と言われ、思わず二人して深々と頭を下げていた。

修業時代は地方回りが1年の半分くらいあって、
そこで”見て盗”んだものが、今の私の基礎になっているのだが、
その時私の班の長が、師匠ではなく、その父雪斎だった。
だから遣い方が似ていると言われて、そうかもしれないと思いつつも
未熟者が名人に似ていると言われたことに面映ゆさを感じた。

そんなことを思い出したのも、小さんさんの言葉を目にしたからだ。

「守破離」

まず真似をする、
次に真似から離れる、
そして守ることに捉われず、
破ることを意識せず、
新しい独自のものを作り上げる


私が師匠の元を離れ一人になった時、
まずは師匠や先輩の言っていたことを思い出し、確かめながら
人形を作り、それを遣い始めた。
そして大道芸に出るのだが、
大地や自然は容赦がない。
下手な遣い方をすると、人形は崩れてしまう。
でこぼこの大地は、より基礎的なことを教えてくれた。
そして糸の絡まることなんてザラにある。
それでもそこに立ち止ってくれた人に、
しっかりと表現を見せなければならない。
しかも、格好良くなくてはいけないと思っている。
必然的に真似から離れてきたと思う。

そして様々なことに挑戦してきた。
でもまだまだ足りないと感じている。
”独自のもの”には、もう少し時間がかかるだろうか。


その思い出の地伊勢丹前で、9月6日(日)15時から
学生の組織シールズと学者の会が共同で主催する
反安保の集会が開かれる。
また雨になりそうだ。
カッパを用意して参加する予定。
コメント
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