江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

タイの演劇状況

2009-12-23 23:54:37 | 09年 タイ・バンコク大道芸
今回は、観光客相手のショウではなく、タイの人たちが楽しむ舞台を見たいと
思った。
幸いタイ在住で、タイの文化に詳しい日本人が付いてくださったので、その辺
を尋ねてみた。
私の頭には、アルゼンチンやペルーなどで経験したような、地元の大人が集ま
って、お酒を飲みながら地元の歌やショウを楽しむパブがあった。
ところがそういうものは無いと言う。
大概大人は、夜はお酒を飲んでグダグダしているだけだと言う。
もちろんお祭りになると、歌や踊りなどはあるけれども、とのこと。
じゃあ演劇はどうなっているかと尋ねると、
70年代の反日感情が激しく燃え上がった学生運動華やかしき頃は相当活発に
あったそうだけれども、今はかなり廃れてしまっているそうだ。
劇場自体数が少ないと言うことも原因にあるだろうが、
私にとってとても示唆的に聞こえた。
日本の場合、能や歌舞伎などがあるように、歴史的に演劇を創り続ける土壌は
タイよりあるように思える。
ただ60年代以降に生まれた演劇が、現在どれだけ一般の方に支持されている
かは、はなはだ覚束ない限りである。
そういった意味でタイと状況はそれ程違いはないのではないだろうか。
実は、チリに行ったときも廃れたといわれた。
エクアドルに行ったときは、演劇そのものが無いように聞いた。
ただ尋ねた相手が演劇に興味が無かっただけかも知れないが。

文化は、人間が社会を形成して生活する限り、必然的に生まれるものだと思う。
ただ演劇についてはこの一般論が通じるかどうか、不安になっている。
日本人は演劇を育ててきた。
当たり前に演劇は「あるもの」と思ってきた。
ところが今回、そうではないらしいと気付かされた。
ではどうして日本人にとって演劇が必要だったのだろうか。

タイの話しから随分考えさせられた。
コメント
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