都内で藤といえば「亀戸天神」が名高いが、江戸の世には、根岸の円光寺も藤寺として有名だったと知って、4月下旬にここを訪れようと妻と決めていた。4月1日の源氏の会でお誘いをすると、数名の方から参加希望があり、GW初日の29日、結局7名参加のもと円光寺(藤寺)を中心に根岸の里を歩いて来た。
10時日暮里駅北改札口(上の図中1 以下同じ)に集合し、音無川暗渠(2)→水鶏橋(3)→円光寺(4)→御行の松(5)→こごめ大福(6)→香味屋(昼食 7)→永称寺・千手院(8)→陸奥宗光別邸(9) と巡って来た。
(1)JR日暮里駅・・・この時期、日暮里駅北改札口はイベント出発への待ち合わせ団体で賑わっている。紅葉坂側に南口もあるが待ち合わせには不便。多くが谷中方面へと出発していくに反して私たち一行7名は反対の東口側の階段を降りていった。
(2)音無川・・・根岸へと向かう道中は音無川の暗渠を行くこととなり、私が説明役となった。この道もそうだが暗渠の特徴は、道が狭いことと曲がりくねっていること、マンホールが目立つこと。善性寺・将軍坂前の羽二重団子は改築中だった。暗渠を進むと「御隠殿橋」の立て看板あり。(図中2)
(3)鶯橋・・・尾久橋通りを渡って、「鶯橋(旧水鶏橋)」の碑(図中3)を発見する人あり。私一人で歩いていた時には気が付かなかったこと。この辺りは水鶏(くいな)の名所だったと説明されていた。
(4)円光寺・・・尾竹橋通りを渡って右折し、根岸小学校脇を左折すると、この辺り一帯は細い路地沿いに小家や飲み屋が軒を並べている。その名も“ふじでら横丁”。その一角に藤寺(円光寺)はあった。残念ながら音無川の水が枯れ、藤に往時の勢いはないとは、数日前の実踏時に檀家の方から聞いた話。『江戸名所図会』には「済家の禅寺にして、釈迦如来を本尊とする。当寺庭中に紫藤あり。花の頃は一奇観たり。故に俗間にこれを藤寺と称せり・・・」とあった。
(「江戸名所図会」より)
(5)御行の松・・・音無川暗渠の左側が荒川区で右側が台東区。その区界を行けば暗渠を辿ることとなる。台東区側に灯篭や石組など川の名残の遺物多し。それを発見しては皆で喜ぶ。右写真は、音無川へ下った石段と推定。「御行の松」では私は山本松谷の絵のコピーをお見せした。
(6)こごめ大福・・・皆お土産を購入。何時食べてもここの大福は餡が豊富で、お得感あり。 (写真:「こごめ大福」に飾られていた御行の松の写真)
(7)香味屋・・・相変わらず繁盛していた。出迎えた店員さんの服装がフォーマルで高級店の雰囲気が漂う。私達一行は2階へ案内されたが、全員がアラカルトの注文。メンチカツ定食で2000円を超えていたが、味はしっかりしていた。
(写真:千手院の牡丹)
(8)千手院・・・「花の寺」と呼ばれる雰囲気が漂う。色とりどりの牡丹が見頃を迎えていた。(写真:千手院正門)
(9)陸奥宗光別邸・・・往時の景観は既にない。洋館には現在も人が住んでいる様子がはっきりと分かった。
14時半鶯谷駅で解散。4時間の散策だったが、陽気の良い時期の根岸の里散策、皆さんご満足の様子でした。