悲しい報せが飛び込んできました。俳優児玉清さんが胃がんのため亡くなられたとのこと。享年77歳でした。
私にとっての彼は、映画に登場する姿よりも「パネルクイズ アタック25」の司会者としての印象が強い俳優さんでした。「アタック25」はクイズ番組のハシリともいうべき番組で、毎週日曜日必ず観ていました。その司会を勤める彼の、滑らかな口調と、出場者を気遣う知的で誠実な司会ぶりが好きで、欠かさずに観たものです。戦略としてどうパネルを取るのがベストなのか考えたりもしました。かって大人気を博した「オセロゲーム」の形式をも取り入れたクイズであり、この番組は現在まで36年間も続いている超長寿番組です。
更にはNHK番組「週刊ブックレビュー」と言う書評番組の司会を務めたこともあり、読書量の豊富さと、その博識を凄いなと感心したものです。彼のさわやかな人柄に惹かれて毎週観ていたとも思います。
何冊かの著作もあり、その中から数冊の本を読みました。”断捨離”で相当な数の本と別れましたが、彼の著作「寝ても覚めても本の虫」(新潮文庫)は取っておいて、丁度この3月25日に再読したばかりで、今後読みたい外国の小説名に、めったにはしないことですが、マーカーを付けたのでした。この本と山本一力・縄田一男・児玉清の3人が語り合った「ぼくらが惚れた時代小説」(朝日選書)は、今後の読書の羅針盤の一つにする積もりです。大衆文学と言う表現で良いのか迷いますが、ともかく読んで愉しく、面白い作品の数々を教えてくれた先生でもありました。
安らかにお眠り下さい。ご冥福をお祈りします。
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