マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

“小海裁判“を傍聴

2017年12月13日 | 裁判

 向丘高校時代の同僚小海さんが「再任用不合格」となり、裁判に訴えていると知って、12月1日(金)東京地裁での裁判傍聴に行って来た。小海さんが裁判を提起していることを知った、やはり元同僚の草野さんと「小海さんを勝手に支援する会」なるものを立ち上げ、元同僚10数名に傍聴を呼びかけると、当日私達以外に3名の元同僚も傍聴に参加。527号法廷は40人ほどの傍聴者が見守るなか裁判は始まった。

 年金の支給開始年齢が年々引き上げられている今日、60歳定年後の再任用(フルタイム勤務)は生活権・労働基本権といっていい。その再任用の不合格。馘になったという事である。あの働き者の小海さんが一体どんなことをしたのだろうという思いで証言を聞きに行ったのだ。
 被告側の元上野高校岡田校長に続いて原告側は小海さんと、上野高校での元同僚の平須賀さんが証言台に立った。

 まず岡田校長の証言。岡田校長は再任用選考の推薦書で小海さんの総合評価をCとした。選考の最終決定権は教育庁選考課にあるものの、校長が提出した推薦書の総合評価がCだったことが再任用不合格の主原因である。普通に勤務していれば評価はAかB。果たして何故Cと評価したのか?証言を食い入るように聞いた。
 まず挙げたのが、(1)頭髪徹底指導に反対したこと。それまでの頭髪指導を変更し頭髪徹底指導を進めようとする職員会議での校長の方針に、小海さんは校長を詰問するような口調で反対した事。
 以下主な事柄のみ記すと、
 (2)指導要録記載せよとの指導に従わなかったこと。
(3)小海さんが、組織、経営、管理、監督、評価などを完全否定し、唯我独尊で忘却無人な態度や言動をとったこと。
(4)推薦書「仕事の成果」の評価をDとした理由について。岡田陳述書には「・・・会議の場で、校長の学校経営方針に反対し、学校経営に大きな支障を生じさせてきました。そのため、仕事の成果はDとしました」とあった。
(5)総合評定について。岡田陳述書には「・・・今後の組織運営においても、組織の再任用については避けるべきであると考え、総合評定はCとしました」
など
など。
 岡田証言を聞いて、
こんな理由で人を馘にするのかよと、私は証言台に立つ校長の傍に行って文句を言いたいのを我慢して、小海さんの証言を待った。

 これに対して小海さんはこう証言した。
(1)  頭髪指導について。それまで行われて来た頭髪指導を唐突に変更する、校長からの頭髪徹底指導が決まった職員会議で、生徒との話し合いを重視して頭髪指導を行うという、上野高校の「自主協調」精神に立って、反対意見を述べたことは事実だが、詰問するような口調はとっていない。
(2)指導要録の記入について。後日記入した。
(3)組織の完全否定について。どんな場面で、いつどのような内容の言動を行ったのか、具体的に明らかにしてほしいとの求釈明に対し、一切の回答をしていない。
(4)
仕事の評定について。再任用1年前の平成25年には、受験指導として、学年として午後7時まで教室を開放し、殆ど毎日その当番の任に当たった。定年退職時までの勤務は、朝7時から夜7時まで。夏休みも講習を中心に、ほとんど休日がなかった。
 
再任用の平成26年度の受験指導も生徒からの要望を受けて、それまでと同様の取り組みをした。更には夏季休業中に毎日実施される上野高校の説明会を仕切りもした。
(5)総合評定Cについて。岡田校長から27年度の採用結果が不合格だったと知らされ、ビックリしたとき、岡田校長は「僕も意外だった。都教委にもいちど掛け合ったがダメだった」と言ったが、推薦書における岡田校長の評価が感情的になされ恣意的なものであったことは明らか。その評定が不採用に繋がった。
 傍聴の元同僚からも小海さんの態度は堂々としていて立派との感想。

 更に彼は付け加えた。この不合格により蒙った損失は約992万円。それ以上に「長年の教員生活を不本意な形で強制的に終了させられ、かつ不合格の理由についても全く開示がなかったことから、教員としての実績を否定されたと感じました。唐突に再任用不合格の通知を受け、強い精神的な衝撃を受けました」と。

 再任用不合格の具体的理由を語れない被告岡田校長。生徒への思い深く、受験指導をはじめとして、早朝から夜遅くまで仕事をする原告小海さん。そのことは、続いて証言にたった平須賀さんの証言でも更に明らかになった。そんな小海さんを何故不合格としたの?

 再任用不合格については「杉浦裁判」で都教委の全面敗北。そこから学ぶどころか校長の立場をより強力なものに見せようとする狙いか、首切りはその年度だけで15件もあったそうな。小海さんのような人を不採用にするのは、上野高校の生徒にとってのみならず、東京都の教育界にとっても一大損失なのに。


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