マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

ギンレイホールで『新聞記者』を観る

2020年02月04日 | 映画・美術・芝居・落語

 1月24日(金)、飯田橋にあるギンレイホールで『新聞記者』を観て来た。ギンレイホールという映画館については、知人から「毎週2本立てで名画が上演される映画館で、会員制度もあり」と聞かされたていたが、行く機会が無かった。今年に入ってから、東京新聞に「ギンレイホールで『新聞記者』上映」と広告が載った。この映画は是非観たいと思いつつも見逃していた。
 てな訳で24日、妻と飯田橋へ出掛けて行った。

 『新聞記者』の上映開始16時の20分前にはホールに到着し列に並んだ。ホールは200人程度収容の、昔懐かしい雰囲気が漂う比較的小さな映画館だった。確かに会員制度があり、11.000円で“シングルカード”を購入すれば、1年間を通じて上映される名画を50本以上観賞出来るのだった。

 さてこの『新聞記者』は、東京新聞社会部記者の望月衣塑子著『新聞記者』を原作としている。かの望月衣塑子だ。通常の官房長官記者会見では記者の質問は1人が2~3問で10分程度だが、2017年6月8日、望月は加計学園問題などに関して、40分の時間をかけて23回の質問を繰り返したことを発端に、注目を浴びるようになっていた。その後『新聞記者』を書き上げ、私も読んでいた。
 総理大臣が長年の友人に便宜を図ってやり、官僚がそこを“忖度”するという基本構造は変わらない。その疑惑解明に、映画でも菅官房長官への鋭い質問を浴びせる場面が見られるかと思っていたがその辺も疑惑内容も原作とは違っていた。
 東都新聞社会部の女性記者・吉岡エリカ(シム・ウンギョン)は、総理大臣官邸における記者会見でただ1人鋭い質問を繰り返し、官邸への遠慮が蔓延する記者クラブの中で厄介者扱いされ、社内でも異端視されていた。
 そんなある日、極秘情報が記された匿名のファックスが社会部に届き、吉岡は上司の陣野(北村有起哉)から生物化学兵器開発を目指す新設学部計画に関する疑惑の調査を任される。エリカが調査を進める過程で、内閣府の神崎という人物が浮上してくるが、その神崎は自殺してしまう。 
 一方外務省から内閣情報調査室に出向中の杉原(松坂桃李)は元上司神崎の唐突の自殺を止められなかったことを悔やんでいた。
 その二人、エリカと杉原は巡り合う。政権が隠す権力中枢の闇に迫ろうとする女性記者エリカと、理想に燃え公務員の道を選んだ若手エリート官僚杉原。エリカは杉原に内閣府内の秘密書類を持ち出すことを依頼する。持ち出された秘密書類を基に真実は明らかになる。秘密書類を持ち出したのは杉原と知った上司多田(田中哲司)は杉原を咎めず“アメ”で懐柔を試みる。
 最終場面で道路を隔ててエリカは杉原と向かい合う。エリカに背を向けて去って行く杉原・・・。しかし、杉原は最後には権力に屈しない道を選ぶだろうと期待したい終わり方だ。
 エリカ役の韓国の映画女優シム・ウンギョンがはまり役だと思った。真面目で一途な思いで突っ走るエリカを自然体で演じていた。
 ホールを出ると、最終日の最終回を観ようとする長蛇の列が出来ていた。16時の観覧で良かったなと思った次第。