マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

棋王戦観戦記(その3)

2016年03月25日 | 将棋

 昼食はホテル内で済ませ、午後も”とちぎ将棋まつり”での観戦を続けた。昼休みを挟んで子供同士の「どうぶつしょうぎ」も行われた。この将棋3×4のマスの盤面からなる超ミニ将棋で、この将棋のルールの創設者が北尾まどか女流。

 さて棋戦は渡辺棋王の猛攻撃が始まり、佐藤天彦八段が懸命に受ける局面が続いていた。私は「Surface」を持ち込み棋譜を見ながらの観戦であったが、その場面の解説には次のようなコメントがされていた。
 『天下一品の攻めの技術を持つ渡辺が攻めて、抜群の受けのセンスを持っている佐藤が全力で受ける展開。互いの長所が真っ向からぶつかり、火花を散らせている』と。
 ただ残念ながら16時を回り私はここで会場をあとにした。
 18時過ぎ自宅に帰り、棋戦最終局面は「ニコニコ放送」で観戦した。

 渡辺棋王の猛攻を凌ぎ続けた結果逆転し、佐藤八段が有利に立ち、佐藤必勝かに見えたが、棋王は怪しい一手「▲77桂」を放ち、両者1分将棋の中、天彦は勝ち切れる一手「△85金」のところ「△85桂」と指して大逆転負け。これで渡辺は3勝1敗となって棋王位を防衛した。 “貴族”は“魔王”に討ち取られたのでありました。
 後日のブログで渡辺はこの一戦を次のように振り返った。
 『終盤は△85桂でなく△85金なら歩が1枚足りなくて負け筋でした。あれだけやって歩1枚の差なので、自分の全公式戦の中でも3本の指に入る将棋だったと思います。お互いに大きなミスもなかったですし。これで3-1で防衛になりましたが、スコアほどの差はなくて、本当になんとか勝ったという番勝負でした』
 棋王を応援する私は胸を撫で下ろしたが、一方の天彦さんには名人戦での大活躍を期待したい。

 付記 
北田君からの興味ある話を付け加える。
 (1)「どうぶつしょうぎ」ルールの創作者北尾女流は今や”将棋親善大使”として各国を飛び回るほどの忙しさ。その夫だった片上6段は東大出身の唯一の棋士で、現在は将棋連盟の理事。それ故、こちらも超オイソガ氏となり、それが原因か二人は離婚。その離婚した二人がこの祭りの出演棋士として活躍している。
 (2)北田如水作の駒の字体は、現代のかな書道の基礎を築いた一人小野鵞堂からのもの。彼の字体から、駒作りに用いられるのが「我堂書」(写真:如水作の駒で我堂書・島黄楊斑入り柾・盛り上げ駒。)

 
    (どうぶとしょうぎ)