妻とも私とも同僚だったKさんから、昨年妻宛に来たメールに、「凄い本を読みました。その本のタイトルは『がんの特効薬は発見済みだ!』です。・・・」旨が書かれていた。がんを患った妻への、格別な思いが籠ったメッセージだった。薬学的分野と病理学的分野についても書かれていたので、一応理系出身の私の方が早速オンライン予約でこの本を借り一読した。今回はこのブログで紹介する目的もあり、昨日再読した。僅か55ページの著作で、短時間で読めてしまうが、考えるべき事柄が多く含まれた著作。著者は京都大学医学部卒で、現在81歳の医学博士岡崎公彦氏。この本の内容の概略の紹介とその感想を以下に綴る。
①岡崎は1987年に元・毎日新聞の経済記者・小泉貞彦著『第三の制がん剤・ベンズアルデヒド』(かや書房)を読み、医学博士東風睦之の業績を知った。東風は、1985年5月、米国国立スローンケタリングがん研究所の機関誌に、制がん剤に関する論文を発表していた。
②その論文の骨子は「ベンズアルデヒドをブドウ糖と化合させて水溶性としたのち、末期がん患者65名を対象として、がん治療効果を調べたところ、55%という高い有効率を得、副作用も皆無だった。
③この論文は、①の、国際的に権威ある学術誌に掲載されたが、何故か、その後の追治験の実施報告は皆無。論文は国内外でまったく評価されていない。
④この論文の整合性と価値を見抜いた著者は、東風博士の経営する一条会病院で2ヶ月間勤務医として参加し、治療の成果を自分の目で確かめた。
⑤がん治療に有効なベンズアルデヒドは、少量ではあるが生アーモンドに含まれる。毎日、30~50個の生アーモンドを食べれば、初期のがんは治る。又、ある製薬会社発売のビオタミン、またはビオトーワは制がん作用を発揮するとして、ビオタミンを内服しての治療方法を紹介。
⑥岡崎博士の営むクリニック来訪の患者のカルテを2例紹介し、ビオタミンを処方した患者とビオトーワを処方した患者ともにがん再発の兆しは皆無であった.
とも記されている。
途中で、がん細胞「発生と抑制」のメカニズムが述べられていた。がんについて詳しくない私にも分かるような記述がなされていたが、ここでは詳細は省略。
がんの制がん剤として「ベンズアルデヒド」が有効で、毎日アモーンド30粒ほどを食すれば初期がんは治る、との論趣は、それが正しいか否か、私には全く分からないが、もしそうであるならば、一刻も早い商品化は多くの人に朗報をもたらすだろうと、評価されない現状を非常に残念に思った。
が、反面大きな疑問をも感じた。それは、東風博士の論文が評価されない点や、著者の治療方法が世に受け入れられない理由として、医薬界の、”欲”が支配する特異体質のみを挙げている点である。
(a)がん特効薬を認めると、世界中のがんセンターの研究の目標が消滅してしまう。
(b)抗がん剤は製薬会社のドル箱であること。
医薬界にもあくなき資本の追及や、権威の横行があることは事実だろう。それだけの理由で、画期的な論文や、治療方法が評価されないのだろうか。誠意をもって治療にあたり、世界的規模で活動されている医師も多くおられる。”徳 孤ならず。必ず隣あり”とか。著者に親しき医師や研究仲間はいないのだろうか。そのような方々に評価をして貰う事は可能なだったはず。
製薬会社にしても、抗がん剤ではなく、特効薬で一儲けしようという、さきがけ的、一抜け的企業があってもおかしくはない。まったく無視されている理由づけが私には理解出来なかった。
プラスにしろマイナスにしろ、きちんとした評価が行われことがこそ一番大事なことと思う。
同じ著者の『究極の難病完治法』もKさんからお借りしている。
元毎日新聞の経済記者・小泉貞彦著『第三の制がん剤・ベンズアルデヒド』は、かや書房に問い合わせたが絶版とのこと。近隣の公共図書館にも蔵書はなかった。国会図書館に足を運ぶか。