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主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「塚口ナートゥ夜R」参加してきました!

2023-07-15 23:56:35 | 映画感想
 先日までの日記のとおり、わたくし人形使いはここ最近稀に見るレベルで体調を崩しており、今回のマサラは参加するかどうかをギリギリまで悩んでいました。
 注文した体温計が届いたので体温をチェックしてみたところ、前日の晩から当日の朝にかけては平熱、喉の痛みもおさまっていたので参加することに決定。
 しかし寝込んでてすっかり忘れてたんですが、今日は祇園祭で交通網がメチャクチャになる日。さらに人身事故のせいでダイヤが遅れてました。そんなことはつゆ知らず、いつも通りのつもりで上映時間1時間前に家を出たら全然電車が来ずに、結局劇場に着いたのはほんとにギリギリの5分前。これだけ到着がギリギリになってしまったのは久しぶりでした。あー焦った……。
 
 
 このポスターにどんどん増えていくマサラ上映のマークだけで笑えます。
 さていそいそと入った館内はすでに熱気に包まれており、これからの盛り上がりだけでなく前回に当たる昼ナートゥの熱気が明らかに残っているのがわかります。昼ナートゥどんだけ盛り上がったんだよ。
 なんとか上映開始前に席に着き、慌ててサスペンダーを装着していると有志の方がお土産を配布中。
 
 
 相変わらず塚口の福利厚生は充実しています。
 などと感動に打ち震えていると後ろの方から戸村支配人ことシネマスター☆トムが登場! 毎度の流れとは言え、これだけの紙吹雪とクラッカーと拍手で迎えられる劇場支配人が果たして他にいるだろうか。
 そして恒例の前説……となると、注目したいのは戸村支配人のナートゥです。
 RRRマサラ上映での前説の際には、毎回戸村支配人自ら踊るナートゥ指南が行われるんですが、これが回を重ねるごとにどんどんキレを増しています。
 では通算9回目となる今回はどのレベルにまで達しているかというと、もはや体幹の安定度とキレが素人のそれではない。
 これはもう完全にこの前説ナートゥが海を超えてインドにまで飛んでいくことを想定した動きです。否、これはもはや戸村支配人自身が海を超えてインドまで飛ぶことを想定していると言っていいでしょう。最終的にはラージャマウリ監督とナートゥツーショットを実現して頂きたい。
 そんな感じでいつも通り前説で東京都の消費電力10年分を消費しつつ上映開始!
 いつからともなく発生した全興連のコロナウイルス注意喚起動画での思いやりコール、すでに伝統文化として定着した映画泥棒の着地と同時に一斉にクラッカーといった作法を経て、「RRR」上映開始(はじめ)ッッッ!!
 
 もう数え切れなくらい見てる本作ですが、飽きない。全然飽きない。
 もう展開もセリフもオチも全部知ってるのに全然飽きない。
 なんでこんなに飽きないんだ?ということを紙吹雪の嵐の中で考えてたんですが、これ、「すべてのシーンの中に後のシーンへのトリガーが仕込まれているから」じゃないかと思います。
 冒頭のビームとジェニー周りのシーンだけでも、ラーマの策でビームとジェニーが知り合う→市場に向かう:このシーンでジェニーの屋敷にマッリが囚われていることをビームが知る→ビームが腕輪を作ってジェニーに渡す→帰宅したジェニーからその腕輪を渡されたマッリがビームが近くにいることを悟る→……といったように、各シーンごとにつごのシーンへのトリガーが配置されているので、作劇的必然性のないシーンがまったくない、ストーリーの進行が一切途切れないわけです。
 映画館で見る映画というのはその環境上、早送りや流し見ができません。これだけ回数を見た作品なら、スクリーンから多少、あるいは長時間目を離しててもストーリーは十分追えるもの。
 しかし本作はそんな気が起きません。そんな気が起こる前にエッタラジェンダのラージャマウリ監督登場ですべてが吹っ飛んでしまいます。というか本作で目を離せるポイントなんてまったくないしな。
 そもそも映画という媒体は最初から最後まで一気に見ることが前提となっています。しかもそれが3時間という長時間となると見てる方も疲れたり飽きたりしてしまうもの。そこ行くと本作は3時間まったくダレず、しかも作劇的に余計なシーンが一切ない、ことによるとこれでも切り詰めてる可能性があるというのが恐ろしいところ。こちらとしては4時間超えの完全版を制作していただいても一向にかまわんッッッ!!
 そしてマサラ上映の+アルファ要素である紙吹雪や声援についても言及しなくてはいけません。まあいつものことですが紙吹雪が素晴らしい。ただ単に大量の紙吹雪を撒くだけでなく、シーンごとに色分けされてるのが匠の技。ラーマの赤、ビームの青はもちろんのこと、コムラムビームのシーンでは緑、爆煙が上がるシーンでは白と色分けされた紙吹雪がスクリーンを彩る光景はここでしか見られません。
 今回特に印象的だったのは、ラーマの回想シーンにおける父ヴェンカタの最後のシーンでの白の紙吹雪。このシーンで舞う紙吹雪には「哀悼」の意味を見出しました。
 クラッカーについては最終決戦の際、連絡中のエドワードが「撃ち方やめ!」って言ってるのにクラッカーを鳴らすのをやめないのに大笑い。
 あと個人的に取り上げておきたいのが、ラーマに自分の正体がバレたことを悟ったラッチュが逃げ出すシーンに声を上げた方。
 逃げたラッチュに先回りしてたラーマのアップのときに思わず客席から漏れた「カッコイイ……❤❤❤❤」の嘆息がもうメロメロ通り越してヘロヘロも通り越してデロデロといった感じで実に良かった。今回のMVPはこの方に差し上げたい。
 そんな天井知らずの盛り上がりの中、止めのエッタラジェンダでさらに盛り上がるのが塚口のすごいところ。
 このエッタラジェンダももう何回も見てるわけですが、何回見てもモルヒネを凌ぐレベルの多幸感が味わえます。そもそもRRR自体、エンディングからのラーマとビームの運命やインドの解放闘争を考えると、決して問題のすべてが完全解決してハッピーエンド!といった終わりではないんですよね。
 しかしながら、インド史における革命の英雄たちを讃えつつ歌い踊るエッタラジェンダはそうしたことをも包含した祀りの唄なんだなあと思いました。
 散々盛り上がったあとは恒例の掃除。今回は従来とは逆にまず最初に紙吹雪以外のゴミ(クラッカーの残骸や紐)を袋に入れるというイレギュラーな方式に。ゴミ回収の際の分別チェックが厳しくなって来たとのことで、今回から火薬銃も使用不可となったりで、今後もイベント終了後の掃除はいろいろ試行錯誤する段階に入った感じですかね。レギュレーションの遵守や掃除の際の分別は今後のイベント上映、ひいては劇場の運営にも関わることなので、毎回チェックして柔軟に対応していこうと思います。
 
 
 
 ……さて、ここまでこのレポブログを読んで、「今回のレポはやけにテンション低いな?」と思った方もいるのではないでしょうか。
 いや実際テンション低めです。それはなぜかというと、ここ最近の塚口のマサラ上映でちょっと場にそぐわない声出しが見られるようになったから。
 今回だけでなく前回の「WARウォー×バンバン!連続マサラ上映」でもあったんですが、どうも作品の展開やキャラに対しての声援ではなくウケ狙いのツッコミや自分だけ目立とうとするような声出しがしばしば見られるようになりました。
 これに関しては劇場側でもすでに把握しているようで、だからこそ今回の前説で戸村支配人から「関西だからって無理に面白いことを言おうとしなくても大丈夫です」「自分が自分がではなく、周りの人との調和を大切にした声出しをしましょう」という声掛けがあったんでしょう。
 それ以前に、イベント上映の前説では戸村支配人は毎回「マサラ上映は映画鑑賞+アルファです」と明言しています。たしかにマサラ上映は大の大人が馬鹿騒ぎをできる場ではありますが、その馬鹿騒ぎはあくまでレギュレーションと調和を守った上での馬鹿騒ぎであり、決してルールもモラルもなしに騒いでいるわけではありません。なにより最優先は「映画鑑賞」であって「騒ぐこと」ではなく、この優先順位が崩れることはありません。
 しかし最近、この部分を理解していない声出しやヤジ、つまらないツッコミが目立つようになってきました。これに関してはtwitterを見る限りかなり多くの人が同じく感じているようで、不満や不快感を述べるツイートが多く見られました。公式もこれに関しては把握しているようで、塚口の公式アカウントからは毎週金曜日の「尼の塚口のひとり喋り」でこうしたことについての劇場側の対処や見解について話してくれるようなので、これ以上周りが騒ぐことはないと思います。
 これは自戒を込めて言うんですが、こういうときに場への思い入れが強ければ強いほど「自分たちがどうにかしなきゃ!」と思って逸った行動に出てしまいがちですが、そうなれば次に「場に害をなす存在」としてその場から排除されるのはあなたでありわたしであるということはしっかり理解しておくべきだと思います。
 塚口のイベント上映に限らず、色んな人が色んな場で経験してると思うんですよねこういうケース。そして、そうした際にさらに状況を悪化させるのが一部のファンが行き過ぎた犯人探しやルールの締め付けを始めるというケースです。
 たしかに自分たちにとって大切な場を守りたいと思ったりルールやレギュレーションを守らない人間に憤りを覚えたりするのは当然のことです。もちろんわたくし人形使いも、今回のようなケースには「多少イラつく」レベルを通り越した不快感を覚えています。
 しかし、そこでファンの側が違反者を攻撃するようになると場を提供している公式側からするといちばん面倒な「客vs客の構図」が発生してしまいます。こうなってしまえば迷惑な客がひとり増えるだけ。
 こういうケースにおいては、簡単に正義感が暴走して一部のファンが他のファンや界隈に対して「自治」を始めたり、場の状態の正常化ではなく自分の怒りをぶちまけることに目的がすり替わって犯人を叩き始めたりするもの。
 実際、今回のケースについてもすでにそうしたツイートが多数見つかりました。
 しかし、まず思い出してほしいのは我々はあくまでただの客、ただのファンであって、塚口サンサン劇場という場の持ち主ではないということ。
 我々はあくまで遊ぶ場を貸し出してもらっている立場であり、その場を管理している立場ではないしその権利も持ってはいません。その権利を持っているのは公式だけです。それを忘れて勝手な自治を始めたり犯人叩きを始めたりするのは、貸してもらった人の家で私的なケンカをするに等しいこと。私憤を晴らすのが目的ならせめて自分の家でケンカしろよって話です。
 イベント上映で不快な思いをした、つまらないツッコミが増えていたとSNSで発言するのは良いでしょう。場の空気やレギュレーションを守らない人がいたことに対して憤りを覚えるのも自然なことです。しかし、ただの客である我々がやって良いのはそこまで。公式でもないのに場のルールを決めようとしたり、上映中にカウンター食わせて個人的に溜飲を下げようとしたりするのはそれこそ間違った我の出し方です。まして犯人のアカウントを特定してどうこう……なんてのは論外中の論外ですよ。
 こういうときに我々にできるのは……というか、我々がやって良いのは、公式にこれこれこういうトラブルがあったということを報告することまででしょう。それ以上は公式のやることであって我々が手出しして良いことではないと思います。そこを逸脱してしまえば、我々は自ら排除されるべき存在に堕するだけです。
 重ねて言いますが我々はあくまでただの客であって、その立場を逸脱するべきではありません。だからこそ、ただの客がやっていいこととやってはいけないことのラインをしっかりと見極めて、ただの客としてふさわしい行動を取る必要があると考えます。ただの客でいることって大切ですよ、本当に。
 
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