A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「DEVIL BLADE REBOOT」プレイしました!

2024-05-24 23:26:01 | STG
 ありがてぇありがてぇ……。
 なにがありがたいってこのトシになっても「ゲームの発売日が楽しみ」という気持ちを味わえること。
 それにしても今週末はなんだか24日は「関心領域」「帰ってきたあぶない刑事」公開、25日はサンサン劇場のトークイベント、26日はつかしんでのトークイベントとイベントが目白押しでたいへんなことになっています。
 そして24日は全国256億人のシューターが待ち望んでいたこの作品、「DEVIL BLADE REBOOT」の発売だ!
 というわけでさっそく感想を書いていこうと思います。
 
 本作の初プレイの印象を一言で言うと、「重いのに軽い」「軽いのに重い」となるでしょうか。
 まず本作の「重い」要素として挙げられるのは、2Dドットの限界までこれでもかと書き込まれた重厚なグラフィック。
 オールドシューターなら1面の爆炎に彩られた鋼鉄都市で一気にハートを鷲掴みにされることでしょう。そして自機も敵キャラも鋼鉄の香りただようメカ!メカ!メカ!
 特にボスキャラがどれもいい。個人的神STG判定基準のひとつに「ボスキャラがカッコいい」というのがあるんですが、本作におけるボスキャラのデザインとギミックはどれも問答無用でかカッコよくなおかつ懐かしい。
 創作作品に対して「どこかで見たことがある」というのは高確率でマイナス言葉になりがちですが、しかしここでは褒め言葉であることを強調しておきたい。
 しかるに本作のボスキャラのデザインはシューターそれぞれが持っている「いつかどこかで見たSTGのカッコいいボス」の姿を記憶の奥底から呼び起こしてくれます。ああノスタルジー。
 本作が持つ「重さ」はほかにもあります。それは「敵の硬さ」。
 STGにおける快感原則というものはたくさんあると思いますが、その中には間違いなく「程よい敵の硬さ」があると思います。世の中に無数に存在するSTGの中には、やたら硬い金網や豆腐で出来てるのか?と思うような戦車とかがあるもの。しかし本作の敵機は雑魚からボスまで非常に程よい感触の耐久力が設定してあると感じました。おそらく本作をプレイした人で、「敵が脆すぎる・硬すぎる」と感じた人はいないんじゃないですかね。この「敵機の適度な硬さ」が、本作のプレイ感に「適度な重さ」を与えていると言えるでしょう。
 では対して「軽さ」にはどういう要素があるのか。
 本作における「軽さ」を構成している要素のひとつが「ゲームのテンポ」でしょう。
 STGは数あるゲームジャンルの中でも強制スクロールという構造を持つので、ゲームのテンポをプレイヤーがコントロールすることができません。そのため、ゲーム側のテンポが悪いとプレイヤーはゲームをプレイしている間じゅうその悪いテンポにずーっとつきあわされることになります。つまり、STGにおけるゲームのテンポの良し悪しはほぼ100%ゲーム側が担っているわけです。
 その点本作は敵の出現頻度が実にちょうどいいので、プレイの緊張感が削がれずなおかつ間延びしない、非常に軽快なプレイが楽しめます。これまた本作をプレイした人でプレイテンポに間延びを感じた人は一人もいないんじゃないですかね。この「ゲーム側のみでゲームのテンポをコントロールする」ということ、文章で書くのは簡単ですが実現するとなると相当計算しないとできないことだと思います。
 「重さ」と「軽さ」に加えて本作の魅力として挙げておきたい要素が「可視化」です。
 STGはさまざまなゲームジャンルの中でも、実はプレイヤーに対して可視化されていない情報がたくさんあるゲームジャンル。例えば現在のゲームランクなんかはその代表的なものでしょう。
 しかるに本作では、そうした従来のSTGではあまり可視化されていなかった情報が大量に可視化されているのが特徴。
 例えば雑魚敵編隊の軌道。STGでは編隊を組んだ雑魚敵はさまざまな軌道を描いて飛来するのがお約束です。その軌道が特殊なものになってくると側面や後方から激突しやすくなるもの。本作ではその軌道が可視化されているので、不意打ちでのミスの理不尽感を解消しつつ雑魚敵編隊の描く軌道を楽しめるようになっています。
 また、本作では要所要所、特に弾速が早い敵弾や自機狙いの攻撃に弾道予測線が表示されます。弾速が速い攻撃は見てから避けるのが困難、自機狙いのホーミング弾は発射された瞬間の段階では自機狙いだと判断しづらかったり、自機に当たるタイミングが掴みにくかったりするもの。これもやはりミス時のストレスとモチベーションの低下を増やしやすい要素でしょう。本作はこの点を弾道予測線を表示することで解決しています。
 そしてもうひとつ、本作には可視化された要素があります。それは「敵との距離によるスコア倍率」。個人的には本作で可視化されている要素の中ではこれがもっとも革命的だったと感じました。
 本作では敵との距離が近ければ近いほどスコアに倍率がかかるというスコアシステムを採用しています。これ自体は珍しいシステムではないんですが、大抵の場合かかった倍率は表示されても「どこまで近づけば何倍の倍率がかかるか」という点は以外に可視化されていないんですよね。
 しかるに本作ではこの点を、「自機周辺にサークルが表示され、そのサークル内に入った敵機に対して倍率が表示される」というかたちで解決しています。こうすることで「どこまで近づくと何倍の倍率がかかるのかが『結果』としてしか確認できない」という不満を解消しているわけです。これ、地味にエポックメイキングだと思います。
 こうしたさまざまな要素の可視化を行うと、それだけ画面表示物の数が増えます。画面表示物が増えれば、当然画面がごちゃごちゃして見にくくなるもの。
 しかし本作ではその点もしっかり対策済み。前述してきた「雑魚敵編隊の軌道」「弾道予測線」「自機周辺のサークル」はどれも常に表示されているわけではありません。「雑魚敵編隊の軌道」「弾道予測線」は一瞬だけ、「自機周辺のサークル」は敵機に一定以上接近した時のみ表示されるので、「必要な情報を可視化しつつ画面の邪魔にならない」というふたつのメリットを両立させているんです。これまた文章で書くのは簡単ですが実現するのは難しい部分だと思います。
 また、この「可視化された情報が一瞬だけ表示される」という仕組みは、画面を見やすくするだけでなく前述のゲームのテンポの向上にもつながっているのがすごいところ。
 かように本作は、緻密な計算のもとに遊びやすさを追求した、まさに職人芸の集大成と言える作品だと言えるでしょう。さらに言うなら、その職人芸を表面的な部分ではなくいわば縁の下部分に大きく注力しているのがすごい。
 本作の大きな魅力だと感じた部分の多くは、表面的にはあまり目立たない、ゲームのウリとしてアピールするには地味な部分です。しかしそうしたところこそ、実際にプレイしてみると大きな魅力であることがわかるもの。本作はそこに注力することで非常に丁寧な作りと非常に強固な地盤と屋台骨を持ったSTGを実現していると言えるでしょう。
 
コメント
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