A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

TOHOシネマズ梅田「TENET」見てきました!

2020-10-02 23:32:35 | 映画感想

 正確には昨日の話なんですが、無事紅楼夢原稿も終わったので見てきました噂の「TENET」。
 納品当日はそのまま死んでることが多いんですが、せっかくの映画ファーストデイだったので疲れた体を引きずってTOHOシネマズ梅田へ。
 ついでに紅楼夢カタログ、コミック版けもフレ2の3巻、そして紅楼夢用のコロナ対策グッズを購入。
 さて「TENET」なんですが、うーんこれ初見で全部理解できないの前提だよな……。
 例によって前情報ゼロで見に行ったんですが、特に序盤は正直わけが分からずに心の中の流竜馬が「オレにわかるように説明しろ!!」と叫びっぱなし。
 そしてラストまで見た段階でようやく全体の流れが掴めたような掴めないような……。
 まだ1回しか見てない段階では考察するところまで行かないので、まずは素直にすっごーい!と思ったところを上げていきましょう。
 まずはロータス金庫での戦い。
 本作はいわゆる時間系SFで時間を行ったり来たりするわけですが、特徴的なのが順行中の人間と遡行中の人間が同時に存在すること。
 序盤のロータス金庫での戦いは、巡航中の主人公と遡行中の謎の人物が格闘戦を繰り広げるんですが、ここがなんというかところどころすごく違和感のある動きをしててすごく不自然だったのが印象的でした。
 「撃った銃弾が銃口に戻る」というような「結果」を描いたわかりやすい時間逆行ではなく、時間を逆行「しながら」戦うという映像は今まで見たことがないものでした。
 そして中盤のカーチェイスで、時間逆行中は分子の運動も反転するので、横転した車に引火すると車体が凍り始めて、主人公はガソリン爆発に巻き込まれて低体温症になるというシーン。ああSFぅ~~~!!!といった感じです。
 終盤の印象的なシーンと言えばもちろん、時間順行中のレッドチームと逆行中のブルーチームが同時に作戦を進行するシーン。
 前と後ろからの挟み撃ちではなく、過去と未来からの挟み撃ち! ああSFぅ~~~!!!(2回目)
 ここでレッドチームとブルーチームが同時に同じビルを攻撃するシーンがあるんですが、破壊されたビルの上部が逆回しでもとに戻った瞬間に今度はビルの下部が爆破されるというこのシーン、ここがまさにこの映画のギミックを端的に説明してるシーンだと思います。ああSFぅ~~~!!!(3回目)
 映画という媒体の楽しみは、現実では決して見られないものが見られることだと思うんですが、本作はこないだの「ドロステのはてで僕ら」と同じく、時間という絶対にあるはずなのにそれ自体を知覚できないものを可視化した作品だと思います。
 また、時間系SFでよく出てくるのが時間軸の分岐、パラレルワールドなわけですが、本作での時間軸はあくまで1本のラインであり、そのラインを行ったり来たりすることはできても新しいラインを作ることはできないというスタンスだったと思います。「起きたことは起きたこと」という。
 なので、本作は最初から結末ありきの物語だったというか、因果関係が逆転していないからこそ「先に確定した結果に向かって原因を作る」といったような構造になっているようななっていないような……。
 正直1回で全貌なんてまったくわかりません。これ解説込みで見ないとわからない作品だよなー……。
 作中でも説明らしい説明ってほとんどないんですよね。でもこの突き放し感嫌いじゃないぜ。
 また本作で特徴的だと思ったのが、時間逆行の「結果」ではなく「過程」を描写している点。
 いわゆるタイムトラペルではないんですよね。タイムトラベルだと過去の時間軸の特定の「点」に移動するわけですが、本作では過去の特定ポイントに向かう「線」を移動して行きます。
 その結果、同じ画面に順行中の人物と逆行中の人物が同時に存在するという異様な映像が実現してるんですよね。
 言うまでもなく見終わった後は解説を漁ってたんですが、その中に「本作は量子の動きや働きを擬人化した作品である」という一文があってくびちょんぱあたーくするほど首肯しました。
 いやードロステといいこれと言い、今年は時間系SFの当たり年ですね。

コメント
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