崔吉城との対話

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新拙著『朝鮮戦争で生まれた米軍慰安婦の真実』の書評

2018年07月08日 06時35分20秒 | 研究業績

 私の授賞式の日(7.4)に長周新聞に新拙著『朝鮮戦争で生まれた米軍慰安婦の真実』の書評が載った。遅くなったが、ここに紹介する。この本は朝鮮戦争の体験をもとに私の人生観、戦争観などを分かりやすく事実に基づいて客観的に書いたものである。それを評価してくれる方も多い。しかし、地域のメディアは一切触れていない。慰安婦問題など左か右か、中立かが気になっているのであろう。地域の名士に関しては地元の人の自作など、年中行事式の決まった報道が多い。しかし国際的かグロバールな問題になると無感覚、郷土主義であるようである。そんな中でも拙著に間して初めて広い紙面でまっすぐな書評が掲載され、意外であり、嬉しい。

 朝鮮戦争は朝鮮半島全土を戦場に、アメリカを中心とする「国連軍」、韓国軍、朝鮮人民軍、中国義勇軍が入り乱れて戦闘がくり広げられた。米軍の激しい空爆や細菌戦がやられ、三〇〇万人もの尊い生命が奪われたとされるが、その実態はあまりつまびらかにはされてこなかった。そのもとで、民衆がどのような状況に置かれ苦難を強いられたのか、その真実をありのまま語ることがはばかられる状況が続いてきたといえる。

 本書では、植民地統治下の朝鮮で、貧しい農村に生まれた著者が10歳のときに目撃した朝鮮戦争下の庶民の体験を、当時の衝撃的な印象と重ねてリアルに表現している。それは、三八度線近くの村の子どもの目に映った個人的体験ではあるが、文化人類学者としての普遍性をもった問題意識を提出するものとなっている。それは、とくに米英軍の女性に対する暴行の過酷さに向けられる。(以下略)

 


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