崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「日本のお米は美味しい」

2009年11月10日 05時38分57秒 | エッセイ
 日本について激しく悪く言う韓国人の口から「日本のお米は美味しい」という話をよく聞く。私はその人の正直さを確認するような気分になる。私は韓国で一般的に言われている「日本には美味しい米がないから美味しい朝鮮の米を求めて朝鮮を侵略した」かのようなことを頻繁に聞きながら育った。イネの品種のジャポニカ(japonica)は朝鮮半島から弥生時代に日本に伝えられたということは少し勉強した人は知っている。美味しさとは食べ慣れることにもよるものであり、私はパンを食べてもご飯のような親しみは薄い。
 日本の米が美味しいという一言を聞くたびに日本の農村の田植え前の田圃の風景を思い浮かぶ。田圃を耕して、まわりの草をきれいに刈り、きれいに整えて水を蓄えてある美しい風景は日本以外の国ではなかなか見られない。イネを育てる過程が私には農業というより「園芸」のように感ずる。イネの起源は「中国長江流域説」「雲南(中国)説」が一般的ではあるが現実的に「日本米」(ジャポニカ)が美味しいものになっている。私が現在住んでいる下関付近はは稲作文化の伝来地として有名である。その歴史に関心がいく。そこには稲作文化を磨きあげた現在の米の美味しさである。