崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

研究会を終えて

2009年11月08日 04時54分48秒 | エッセイ
昨日は文部科学省の補助金による「朝鮮半島南部地方の日本村調査研究」の研究会を行った。ゲストスピーカーの島村恭則氏が「在日と引揚者の民俗学」と題として引揚者の定着過程について発表した。戦後引揚者たちのスラム街、公営住宅などの現地調査に基づいて写真の説明を含めて発表した。現在名古屋在住の姜海守氏がコメントした。戦争と終戦、植民地と解放の概念から引き上げの定義はどうあるべきかなどについて深く議論された。続いて研究協力者の崔錫栄氏が「今和次郎の朝鮮民家」について発表し、亀松靖弘氏がコメントをした。1920年代朝鮮の民家の調査の背景が問われた。スケッチと図面は建築に基づいてイメージ創造のようなものであった。
 今回の研究会で小さい研究者グループの絆をより固めることができた。本研究メンバー以外に参加された島村氏は私と同様、啓明大学で教鞭をとった歴任者として、姜氏は啓明大学時代の教え子、崔氏は広島大学時代の教え子である。亀松氏夫婦は下関キリスト教会のメンバーである。福岡の板井氏は日韓親善の主役をしている方である。そして地元の新聞記者など十数人が参加して和気あいあいの雰囲気で良い研究会であった。新型インフルエンザが流行っている折、研究メンバーの上田氏が感染して欠席したのは残念だったが研究会を無事に終えることができたことに感謝したい。そして上田氏の新型インフルエンザが重症化しないことを祈る。