崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「韓国ドラマ」

2008年11月30日 05時42分38秒 | エッセイ
 2008年11月29日(土)毎日新聞リレーエッセー一回分が掲載された。
「冬ソナが面白い」「チャングムが面白い」「ベヨンジュンが好き」「イヨンヘが好き」「キムチが美味しい」「韓国が好き」の流れを「韓流」という。なぜ韓国のドラマや映画が日本人に受けいれられるようになったのだろうか。これは日韓関係における突飛な文化現象でもある。
 以前にも面白かったのに2003年NHKで放送されてから熱風が吹き始めた。ある日隣の80過ぎの一人暮らしの方が訪ねてきた。日本人である家内は韓国人男性と結婚していかに幸せであろうかと言う。私からベヨンジュンの影を探しているようであった。それはドラマであるといっても、「韓国の男性は立派」と信じている。韓国旅行にも数回行っている。知られざる神秘的なものがあるというのが韓国のイメージのようである。
 未だに韓国の連続ドラマを見ない日はないほどである。私ども夫婦も「冬ソナ」にはまった。ドラマは「劇」である。「冬ソナ」でいうと、交通事故により記憶喪失、人格変身、再びの事故で戻るなど、まさに劇的なものが多い。泣く場面も多い。また、気絶する場面が数回ある。感情コントロールができないことだ。しかし性的な乱れはない。ベッドシーンもない。最後にキスをする。純情が続く。それが20回、20時間つづく。また続いてもよい・・・。
 劇的表現には韓国人の神懸かりやすいシャーマニズムの要素がある。シャーマニズムとは激しい歌舞によって神がかり、没我状態で神と交流する信仰である。仏教の念仏やキリスト教の説教では神の存在感が薄い。韓国人はよく泣き、気絶する。それもこのようなシャーマニズムの現象である。もう一つは日本女性が日本の男性に欠けているものを韓国ドラマの男性に求めているのではないだろうか。