崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

今日は朝鮮戦争勃発の日

2008年06月25日 06時52分36秒 | エッセイ
 1950年6月25日の今日は朝鮮戦争の勃発の日である。朝鮮半島の38度線付近の、のどかな我が村は北からの砲声と戦車によって一気に悲惨な村になった。休戦まで3年間何度も激しい戦場になった。戦争ですべてを失った。その戦争中、父は38度線を往来しながら牛の仲買商売をしたが病気で亡くなって家族は絶望のどん底だった。10歳ころの戦争体験は一生の生き方の基礎となった。戦争中の軍人の野蛮な性暴行など、イデオロギーによる宣伝、村人たちの分裂と復讐、貧富の逆転などは人間とは何だろう。どう生きたらいいのだろうかという人生観の基礎を作るきっかけにもなったような気がする。純粋な農民まで共産主義とか民主主義というイデオロギーと愛国主義に汚染されるようになった。私はその村からソウルへ転学、後に母もソウルに引っ越した。憶えている「6.25の歌」は北朝鮮に復讐しなければならないという内容だった。右翼も左派もイデオロギーは怖い。結局政治家たちが戦争を起こしたのである。私の政治家への不信は私の戦争体験からである。