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芭蕉の俳句(114)

日曜日、。旧暦、8月3日。

今日は、掃除して、図書館に寄って、買い物して終った。喫茶店で、芭蕉の俳文集を読む。ドビュッシーがヴェルレーヌとボードレールの詩に曲をつけた歌曲集が1,300円であったので、思わず衝動買い。しかも、バーバラ・ヘンドリックス&ミッシェル・ベロフである。



頓て死ぬけしきは見えず蝉の声  (猿蓑)

■元禄3年幻住庵での作。「頓て(やがて)」は「たちまち、すぐに」の意。初案は中七「けしきも」。「も」という助詞は非常に難しい。この場合、強調したり含みを持たせる意図で初案は「も」にしたものと推測されるが、「も」は多義的な助詞で、列挙の意味もある。つまり、「死ぬけしき」は見えないし、他の何かも見えないというコンテキストが発生する。そのため、「けしきは見えず」という推敲後の助詞「は」に比べると句のインパクトが弱くなる。実作上、これまで、何度も失敗を繰り返した助詞である。

この句については、ポーランド系のクルシェがドイツ語に翻訳した三行詩を検討したことがある。
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