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普天間問題解決策についての私案

2010年03月16日 03時51分15秒 | 外交問題
先日の密約に関する報告が出されたが、過去に言われてきていたことの確認というか、簡単に言うと噂通りだったのね、ということであろう。単に公式見解となっていなかったというだけのことであって、知られた事実が再確認されたということだ。ああ、無利子預金という話は、知らなかったけど。初耳でした。

過去の歴史を暴いてどうの、ということ以上に、当時の日本の指導者たちは「たとえ密約を締結してでも、沖縄を取り戻すんだ」という悲壮な決意さえ、感じ取れるわけである。それに比べて、今の鳩山政権はどうなのか?彼らは、真剣にやる気があるのか?まるで、日本国内で「橋を何処に架けるか」「核廃棄物処理場をどこに置くか」といった場所を選定しているかのようである。しかも、国が決めれば地元は文句を言う筋合いにない、という姿勢がアリアリである。
特に酷いのは、平野官房長官である。沖縄担当の前原国交大臣も野党時代からの米国人脈路線ということなのか、沖縄に押しつけようとする先入観から一歩も出ていない。それでも日本の政治家か!


いくらここで吼えてみても、問題解決には繋がらないし、ぼくは無力だから意味はないかもしれないが、それでも一応書いてみることにする。


(1)普天間飛行場の代替施設は国外

原則的には、この線よりないと思う。殊に沖縄県内移設だけは、絶対に回避すべき。この点においても、平野官房長官や前原大臣の意見は論外。
鳩山総理が日本のトップとして決断すればいいだけだ。大義名分も立つ。民主党の政権以前からの公約だったから、ということで決着を図れる。だから、何が何でも沖縄県外へ、ということを断固として実行する決意を示すのが筋だ。たとえ後世の歴史家たちから非難されようとも、県外移転を実現するべきだ。



(2)譲歩を求める見返りとして

米国がこれを黙って受け入れてくれるかどうかは判らない。だが、決断すべきは日本なのであり、もし応じられないということになるなら、当然のことながら地位協定に話が及ぶことを覚悟してもらうべきだ。「思いやり予算」の大幅縮減にもつながる、ということを思い知って頂く必要がある。

何も「手ぶらで受け入れろ」ということを求めるわけではない、ということをまず理解してもらえばいい。普天間を代替施設なく返還してもらえるなら、いくつかの条件を提示するべき。

 
①グアム移転費用の積み増し

向こうの受け入れ問題ということもあるし、グアム以外に海兵大隊ないし連隊を持ってゆくということになるから、そちらの建設費用の負担を大幅に拠出する。代替施設を建設する場合にも、タダでは作れないし費用がかかることを思えば、ある程度の移転費用を増額するのは止むを得ないと考えるべき。なので、グアム移転費用の日米合意(約70億ドル)規模よりも、数十億ドルの増額となったとしても沖縄の基地を外す方が大事だ。

 
②沖縄以外の場所での共同訓練や合同演習を確保

もしも沖縄残留の場合にも、やはりこうした訓練や演習を行うであろうことは予想できるので、それを確保するのと、日本の役割をこれまで以上に増やす、という方向性を打ち出す。


③米国に於ける高速鉄道建設事業

一番の肝になるのは、これだ。米国での雇用を作る、という目的がある。日本の新幹線を米国で運行してもらえるようにするのである。
スキームは以下の通り。

 ・米国に合弁の事業会社を設立
 ・米国側資本(企業やファンド)が95%、日本側はJRが5%(+銀行や商社等を入れてもいい)
 ・この事業会社に日本の持つ外貨準備のうち仮に百億ドルを貸出
 ・30年の長期ローン、利率は現在の米国30年債と同等金利(or上乗せ0.1~0.5%)でよい
 ・返済は事業スタート後の運行収益から返済してもらう
 ・JRは技術やシステムの移植、訓練や教育で協力する
 ・建設事業や車両製造事業などは米国内企業で行う(どうしてもできないものだけ日本国内で担当するとか、指導人員派遣などで対応してもよい)

概要だけだが、こういう感じでどうかな、と。

まず公共事業として米国自身でやろうとすれば、これは予算がないと着手できないので難しい、ということがあるかもしれない。なので、初期費用を日本が拠出し将来収益で返済してもらえばいいだけだ。日本がドルをただ持っているだけでは米国債を買うくらいしかないので、積んでおいても意味がないのと同じ。それなら、いっそ米国労働者の雇用を増やす方がずっと有効だ。約七千億ドルの米国債を売却しなくても、数千億ドルは保有しているはずなので、費用捻出は難しくはないと思う。

建設側としては、今の低金利時代に借入をするので、そんなに不利という話ではない。それに、温暖化対策としても効果が期待できる。建設する路線とか場所とかは、米国自身がよく事情を知っているだろうから、効果の高い路線から建設してゆけばいい。それは向こうで考え、決めることだ。
日本のメリットとしては、新幹線システムの移植とか車両製造メーカーに恩恵があるだろうけれども、基本的に雇用は米国にあるので、日本から輸出という形をとるものはそうないだろう。できるだけ向こうで作るべき。費用がもっと必要ということであれば、長期貸出金を300億ドルとか増やして、一気に着工し完成年月を短縮する、ということでもよい。

万が一、将来時点で事業がうまくいかず、返済が滞るとかになれば損失にはなるけれども、仕方がないでしょう。それは、普天間基地の買い戻し費用だと思って、諦めるよりない。うまく行ってくれることを祈るしかない(多分大丈夫なんじゃないか?)。


④牛肉輸入規制の緩和

これまでの20カ月から、30か月に引き上げ、という方向で考える。どうしても受け入れ難い、ということであれば、20~30か月の牛については定期的にサンプリング検査を日本側で実施、異常がなければ輸入を継続する、ということでいいのでは。

先日も話が出されていたはずだが、これまでのところ1例も報告されていないので、危険性がそれほど高いという評価にはなっていないのではないか。それこそ、インフルエンザの方がはるかに危険である。


(3)おわりに

もしも普天間基地問題で譲歩をしてくれるなら、これら提案を日本が履行することを確約すればいい。密約でも何でもない、交渉ということである。向こうが譲ってくれるなら、こちらも相応の用意がある、ということを理解してもらうべきだ。

どうして鳩山政権は代替地候補の場所の話ばかりをするのだろうか?
沖縄の人々だって、ウンザリだと思うけど。
口だけの出まかせか、突拍子もない案を繰り出してくるか、訳が判らん。閣僚もバラバラのことを言うし、日によっても変わるし、二転三転どころか、何転したのかも判らないくらいに、フラフラしてるだけ。外相も防衛相もみんなバラバラ。なんなんだ?


唯一、最大にして最優先なのは、「普天間を取り戻すこと」だ。
あの地から、基地を取り除くことこそが、一番大事な目的なんだよ。日米関係という名の下に、沖縄に新たな基地を生み出すことなどではない。それが達成できるなら、多少の金銭的負担増とかなんて、全然問題じゃない。国民新党の県内案なんかは、総理が「グアム(or県外)移転を拒否するなら、連立を切るからな」という不退転の決意さえあれば、いくらでも連立内合意を取り付けられるはずだろう。どうして、そういう絶対に譲れないという決意を示さないのか、全く不思議でしょうがない。これまで、全ての公約について、ブレまくってきたのだから、何か一つくらいはブレずにやってみる、というのが、ないのかよ。

こちらの条件を呑んでもらおうというからには、オバマ政権を盛り立てるような、向こうにとってもそれなりに大きいメリットのあるものを提示しなけりゃ、交渉になんてならないでしょう。

特に重要なのが、米国での雇用が増えるというものだ。今はこれが一番の薬になるはずなのだよ。だから、もしも鉄道建設事業で数万人とかの雇用増効果を生み出せるなら、オバマ政権にとっても「有難いな」と感じるはずなんだ。そういうものを日本側から条件として出せ、って言ってるのですよ。




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1 コメント

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本質 (太郎)
2012-02-12 15:00:34
マスコミや著名人と言われている人たちの普天間問題に関する発言には呆れることが多いです。

普天間問題を考えるには「日本の安全保障をどう担保するのか」から考えないといけないのに、表面的なことでだけで、この問題をとらえた発言にはがっかりさせられる。

昨年尖閣諸島に中国の漁船が領海侵犯したことは記憶に新しいことです。
尖閣諸島は沖縄県です。
昨年は日米関係が以前にもまして不安定な状況になりました。
中国はこの隙を突いて我が国の固有の領土である尖閣諸島に領海侵犯と主権侵害を行ったと思います。
歴史的に、また政治的にシビリアンコントロールだれていない中国に対し、どう向き合っていくのか、その中国と対峙する我が国の安全保障をどう担保していくのか?
その議論がないまま普天間問題を議論することは、平和ボケした自分の無教養をさらけ出すことになります。

フィリピンとアメリカの軍事同盟関係が弱体化した時、中国がフィリピン領の島に何をやったのか?
ぜひ知らない方は調べてほしい。

沖縄が可哀そうだだけで、この問題を議論するのはあまりにも情けなすぎる。

日米の軍事同盟が弱体化すると、必ず中国は沖縄を取りに来る。
沖縄の人たちもそれは望まないでしょ。。。

もっと今の世界情勢や歴史を勉強していただきたいと思います。
同じように国連が各国の安全保障にいかに無力かも勉強して欲しいです。

正しい知識(歴史観、世界は日本の価値観で動いてはいないことなど)と冷静な分析力、と勇気ある決意が日本人には持っていただきたいです。
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