いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

続・ミサイル狂想曲(笑)

2009年04月05日 13時10分56秒 | 外交問題
どうやら過ぎ去ったようですね。


今回の騒動は、本当に典型的な笑い話ですね。
日本の防衛体制は大変優秀なようで、何よりでございます。こういう政府や防衛省にならば、安心して任せられそうです(笑)。


各方面でのドタバタ劇が目に浮かぶようでございます。
しかも、上からこっぴどくしかられたり、大目玉を食らったり、地方からは文句や抗議の大合唱、自治体担当者たちも振り回され、世界中に恥ずかしい場面を晒してしまい、北朝鮮でも腹を抱えて笑っていると思います。


「狼が来たぞー」
「ウソだよ~ん」
「今度こそ狼が来たぞー」
「やっぱ、ウソだよ~ん」

みたいなものですね。

北朝鮮にしてみると、撃つぞ撃つぞ、と脅しておいて、まだ撃たない、みたいなもんです。
「位置について、ヨーイ、ドン、と言ったら、スタートしてね」とか言う、受け狙いの学校教師みたいなもんですわ。生徒は真に受けて、スタートしちゃうんだよ。けど、ハイハイ、まだだよ、次が本番だから、と生徒たちが引っ掛かったことを内心ほくそえむ教師が、昔、本当にいました。これと同じようなものです。

日本はまんまとハマって、フライングしてしまった、ということです。


こういうことって、多分、普通に生活していても本来判るはずなのに、どういうわけか「誰も考えられない」という水準であるというのは、本格的に大問題だと思いますね。専門職とか言う人たちの質的劣化が著しい、ということを表しているのではないかと思わざるを得ません。どんな仕事でもいいのですが、管制官でも発電所の職員でもいいし、鉄道や地下鉄の管制室の人でもいいと思いますが、危機に対応したり、警報や情報の処理に直面している人たちは大勢いるでしょうね。ミサイル防衛の探知システムなんかは、そういうのと何ら違いはないはずなのです。

得られた生の情報とか、判定だけで情報を流すから、過誤を防げないんでしょう。誰も考えていないから、ということに他なりません。脳みそのない、末梢からのセンサー入力みたいなものです。だから、インテリジェンスに欠ける、と言いたくもなるわけですよ。情報を統合して、判定する人が『誰もいない』、ということなんですよ。これは致命的。発想というか、作業のやり方というか、日常生活レベルですぐに判りそうなことなのに、防衛省や内閣府や内閣官房などの巨大組織の中で誰も考えていない、ということがあまりに異常なのだ、ということです。


また例で書いてみます。
今、心電図モニターが装着された患者がいるとします。モニター監視員が専任でいて、モニターのアラームが鳴ったら「右手を上げる」という合図を送ることになっているとします。
この合図を見た伝達者は医師に連絡することとし、医師は治療と患者の家族に異常を伝えるものとします。

今回の一件は、
モニターのアラームが鳴りました
→監視員が右手を上げました
→伝達者は医師に連絡、「心停止、心停止」と告げました
→医師は除細動器を運び、「心停止しました」と家族に告げました

というようになっていたわけです。おかしいでしょ?(笑)

モニターのアラームが鳴ったことと、心停止は同じことを意味しません。末端では、右手を上げろ、という命令だけ受けているわけですから、そこには情報の判定や吟味といったことはなされていないわけです。つまり、「アラームは鳴った」という事実が判るだけで、それ以上の情報はないのです。

家族に「心停止です」と告げる前に、必須になることとは何でしょうか?
当たり前のことですが、「医師が診断」しなければならない、ということです。これは情報が流れていく上流のある地点で、必ず情報を統合し判定したり解釈したりする必要があるのだ、ということです。こんなことを改めて言われなくても、どんなバカでも気付けそうなのに、それが普通にできない、というのは、かなりの重症だということなのですよ(笑)。

監視員や伝達者には、かなり単純な命令しか出されていません。けれど、間違えることだって有り得ますよね。モニターのアラームの異常かもしれませんし。
普通は、コードはずれや体動などのアーティファクトなんじゃないか、とか、チェックをするわけです。他の情報と併せて、「心室細動だな」とか判断するわけです。このような判定は、モニター監視員や伝達者にはできません。情報を統合する上流の方に位置する人が判断しなければならない、ということです。末端のセンサー情報というのは、大雑把に言えば「ある」か「ない」かのような、単純な情報が多いのですから。そういう手順や作業過程を全てすっ飛ばして家族に宣告してしまった、というのが、誤探知情報の政府公表ですよ。


情報が上がってくることは全部必要ですよ。センサーには「0か1」の判定機能しか与えられていないのですから。末梢では、愚直に「アリ」「ナシ」を正確に伝える義務や任務があるので、上流に流すのは当然です。神経だって、そうなってますよ。けど、どれをカットするかは、脳などの上位中枢が行っているに過ぎません。

だから、
センサーA:アリ
センサーB:ナシ
センサーC:ナシ
となっていたら、Aはもう一度測定してみろ、と確認するとか、それでもなお「アリ」なら、「アリ」なのでBやCに一段の注意を促し再び判定を確認するとか、指示や命令にはいくつかの方法があるでしょう。普通は、AもBもCも、全部が「アリ」の判定に揃った時、「アリ」だよね、ということになるわけで、そのような統合の仕方や判断を出すのはセンサー段階では無理で、もっと上位中枢(司令本部?みたいな偉い人たちの集まってるところ)で行わなければならない、ということです。

機械は間違えることだってあるし誤作動や故障だってあるから、一概に鵜呑みにはできない部分はあるだろうけれども、情報の扱い方に関しては明らかにおかしい。センサーAの「アリ」という情報がダイレクトで流れ続ける、というのは、システム的な欠陥でしかない。よほど経験豊富な「長年の勘ってやつだ」と言い切れるようなベテランデカが、「センサーBもCもナシだが、こいつは多分アリだ」と言うのでもない限り、Aだけの判定結果を最終判定にすることなんて有り得ない。「中枢なき防衛省」ということが明確になった、ということだろうね。

報告としては、Aアリ、Bナシ、Cナシ、が事実。
どっちなんだ、と聞かれたら、確認中、しかし、可能性は低いor発射は否定的、と答えるだろうね。
まあ、いずれにせよ、システム全体として重大な欠陥を持ったままなのです。護衛艦の衝突事故の時もそうだけど、要するに、末端と上部とを繋ぐ要所要所に、根本的な問題があるとしか思えない。情報が集まる上位部分で、きちんと処理できてないのだ。


耳から入る音情報の全部に意識を向けていたら、脳みそが狂うとか騒音だらけになってしまうよ(笑、大袈裟か)。音情報の取捨選択を行える中枢が欠けている、ということなんですよ。これを「空耳のせいだ」「おまえの耳が悪いからだ」とか責められたら、末梢は困るだけですよね。


大体、最初から、大見得をはって、「撃ち落とす」だの「即発表する」だの、言うからだよ。
満足にできもしないのに、できるできる詐欺みたいなもんだろ。

ゴルフできるよ、とか豪語してるから、どのくらいできるかと思えば、今度コースに出るのが初めてです、とかのレベルじゃないの。だったら、最初から「できる」なんて言わなけりゃいいんですわ。

じーっと黙っていて、過ぎ去った後に発表することにしておけば、今回の失態が明らかにはならなかったでしょうよ。公表という段階さえ外しておけば、誤探知があったとしても、内部的に反省材料として使えば良かっただけで、ここまでの赤っ恥には至らなかったでありましょう。
そういう先を見据える人間が、政府の上の方に誰も出てこないってのは、どうしてなんでしょうか?何の為に、専門職の人間がいるんですか、って話だわ。百戦錬磨で、間違いなくこなせる、きちんと自信を持ってできる、というレベルになってから「できる」って言えっての。


オレでさえ思いつきそうなことを、まんまとハマるって、おかしくておかしくて涙が出そうですよ。
これが、東大だのいい学校を出た人たちが大勢集まっていても、こんな有様なんですから、どうかしてますよね、本当に。役に立つ人間というのは案外と少ないのだな、と改めて思いました(笑)。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。