いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

国と地方の大断層2

2005年11月10日 21時55分10秒 | 社会全般
三位一体の改革で双方の主張が正面からぶつかっているのが、義務教育の問題です。これは初・中等教育のあり方という点でも、中々難しい問題です。


私の個人的感想から言うと、中学生くらいの年代では、東京にいて塾通いをしたり、家庭教師をつけたりしても、あまり出来ない子達はたくさんいるんじゃないかな、と思う。地方にいても、東京の子よりも点数が上の子達はたくさんいると思う。例えば全国的な中学試験があったとして、地方である程度上位層であれば東京の中位層よりは上にいくと思うけれども、人口規模にもよるかな・・・?大学受験くらいになれば、住んでいる地域に多少影響されるかもしれないが、地方でも上位層は東京あたりでもそこそこの層になるんじゃないかな?中高一貫私立とかみたいな学校だと、さすがに選ばれた子供達が多いのかもしれない。東大受験みたいなハイレベル難関校を調べると、首都圏が圧倒的に多いのかもしれませんけれど。それも単に人口規模にある程度比例しているだけかもしれないし。


今の時代に、それ程地域格差ってあるのかな?どうなんだろう。色々な形で情報は地方にいても手に入るし、全国展開をしている通信教育大手もあるし、田舎に住んでいても勉強しようと思えば出来そうな気もする。都会と大幅に変わることってなんだろう?義務教育で「格差」って言うほど大きな格差が本当にあるのだろうか?特に義務教育期間に必要なのは、基礎的な学力ということで、それは地方だろうが都会だろうがあんまり変わらないような気もするけどね。いい大学を出て事務次官にまでなっても、セコイ犯罪で逮捕されるような人もいる訳ですから、試験の為に必死に勉強していい大学に入ったからといって、幸せな人生とも限らないし立派な人物になれるとも限らないですね(笑)。


違う方向にいってしまいましたが、初・中等教育が地方に任せると失敗に終わる、とかっていうこともなさそうな感じがする(過去数十年に渡って同じようなことが続けられてきたのですから、大して変わるはずもなさそうです)のですが、「本当に地域差がないのか?」という疑問には、全く自信が無い。結構頑張っている地域もあれば、トップが頼りなくて漫然と経過してきたダメな地域もあるかもしれないな。ならば、プロサッカーチームの監督みたいに、トップに(教育委員でもいいんですけど)外部から優秀な人材を招いて、徹底的に変えるというようなことが可能であれば、逆に現状の文科省主導の制度よりも優れた教育システムを作れる可能性もあるかもね。地域のブロック範囲がどの程度なのか、にもよるかな?


都会で住んでる学者さんとかは、「習熟度別クラスは効果がない」とか「少人数学級は無意味」とかの研究成果を出したりするんだそうです。正確には知らんけど。でも、田舎の学校では学年も別々な子供達が一緒だったりするし、全体の人数が既に「少人数学級」だったりするから(小・中学各1クラスずつ、とかですね)、東京にいる学者の言うことなんて聞いていても、今後過疎の進む地方での教育にはあまり足しにもならんかも。「教育格差をなくして平等に」なんて、全国的に出来るんだろうか?土台無理なんじゃないのか?理屈を並べるのも結構だが、「どういう教育をすれば落ちこぼれを作らずに済むか」「中学生なのに分数が出来ない生徒には誰がどうするか」などといったことを具体的に教えて欲しいものだ。妙案があるなら、中教審でも具体的解決方法を挙げてもらって、学者の理論通りの教育方法を実践させればよいのです。教育学者だって学生には自分が教育してるんだろ?自分がどうやって「物分りの悪い大学生」に教えるのか、その実践方法を出してみて欲しいな。「聞く気のない学生」にどうやって自分の「授業」を理解してもらうのか?同じだろ?「九九の出来ない生徒に方程式をどうやって教えるか」「覚える気のない生徒にどうやって漢字を覚えさせるか」というのと似てるだろ?


まさか、自助努力?(笑)児童・生徒や学生には、「自分で何とかしろ、自分で頑張れ」か?「塾にでも行け」か?
根本的には家庭教育が重要だと思いますよ。でもね、個人差があるのは仕方がないし、興味の方向が全く違う子もいてしまうんですよ。「算数だけは大嫌い」って。「法学だけは大嫌い」ってのと、訳が違うんですよ。大学生ならば、義務教育ではないから「放っておけ」で済まされるのかもしれない。だが、義務教育は違うよ?9年間も積み上げで続くんですよ?途中でつまずいても止まれないし、周りは前にどんどん進んで行くんですよ?勝手に進んで行く、本人とは無関係に。


中学に入ってきても、九九が出来ない、割り算が出来ない、分数・少数が出来ない、習った漢字が書けない、そういう子でも、当然中学に上がってくるんですよ。そういう中で、公教育はどうやっていくのか、考えて行かなければならんのですよ。都会の中高一貫私立みたいに選抜されて入ってる学校ばかりじゃない。学校規模も凄く小さいところもたくさんある。そういう環境の中で、子供達に何をどうやって教えるか、意欲的に取り組めるようにするにはどうしたらいいか、そういう具体的な解決方法が必要なんです。地域ごとにある程度任せてもいいような気もします。中央での具体策が乏しいのですし。


ただ、今問題となっているのは、国と地方の財政面ということなので、教育だけの問題ではなくなっていて、教員の給与問題も同じような次元の問題なんだろうと思う。地方にやらせることで、地域住民達の学校運営への協力が得られるようになるかもしれないし。高齢ボランティアの活用にもつながる可能性もある。でも、財政的に苦しい地域になると、他の地域よりも不利な条件となってしまう可能性もある。特に多く出てきそうなのが、学校の統廃合かな?凄く広い学区に変えて、校舎を一つにまとめ、生徒も教師もそこに集めれば経費は節減出来ると思う。でも、学校に通うのが遠くなって大変になる生徒達も増えるかもしれない。地域住民がそれを選択するならば、仕方がないかもしれないけれど。


地方に住んでいて、東京の大学などに入ったところで、地元には帰ってこなくなるだけなので、その地方としてみれば無駄な教育投資を行ってしまうことになるのかな?若者が戻ってくるならば意味のある教育投資ということかな?そう考えると、東京の大学になど行かせずに、近隣の地方大学へ行かせるか、そうでなければ地元で就職させる方が望ましいが、仕事が果たしてそれほどあるのかどうか・・・実家が農家とか漁師などの自営ならばいいけれども、サラリーマンだと就職口を見つけなければならない。これが地方の難点なんですよね。


そうか・・・ある地域での基本的循環が作れるかどうか、というのは結構重要だな。じいさんばあさん、父さん母さん、息子や娘、というのが、その地域内で常に存在しており、そこの中で学校教育を受け、仕事にも就いて、消費もその中で行う、というようなことが継続的に行われるとなれば、その地域はある程度持続するだろう。人口はやっぱり減少傾向になるのかもしれないけれども(どれくらい産むかによるな)。でも今の地方の状況は、息子や娘はみんな都会に出て行ってしまう。やっぱり、ブロック単位で鎖国するしかないのか?(笑)それか、じいさんばあさん、父さん母さんも基本的には流転の民となって、生存に有利な場所に移動するしかないのかな?若者が出て行ったら、同じ割合の老年者が流出しないと、地域社会は不均衡となり経済的成長は出来なくなるかも。


余計にこんがらがってしまったかもしれないが、地方では教育にしろ生活とかにしろ、都会と同じことをやっていてはダメだ、ということになるかな?地方独自の価値観というか、暮らし方を実践する以外に地方の生き残りは難しいかも。それをしないならば、大都市に依存しなければ成り立たない、ということからは結局逃れられないということになるのかな。




ちょっと寄り道

2005年11月10日 01時32分14秒 | 社会全般
地方の問題については、少し前に極東ブログで義務教育費の問題が扱われたのと、ガ島通信さんのところにあった記事を見たので、自分も整理して考えてみようかな、と思った次第です。でも、まだあまり深く考えていないので、ハッキリとした結論が出せてはいないのですけれども。おいおい書きながら、答えを出して行こうかな、と思います。


横道に逸れますが、触れておきたいことが幾つかありますので、全然別な話題を少し。


地方に出先の労働局の不正が会計検査院に指摘されたことが再び取り上げられていますね。何度か記事に書いてきましたが(官の意識改革は可能かまた間違えていました)、会計検査院は例年よりもずっと頑張ったと私は思っています。すでに新聞社説にも結構取り上げられておりますが、もう少し評価してあげてもいいと思いました。そもそも会計検査院が完璧に検査できるものでもありませんし、本来各省庁や財務省での予算策定とその執行に何ら問題がなくて不正もなければ、何も指摘されることなどないはずなのです。会計検査院が「見抜けなかった」「指摘から漏れた」というようなことが本質的な問題なのではなくて、各省庁がどれくらい適正に業務を行い、会計処理をきちんと行えているか、という役所内部の問題であるはずなのです。会計検査院は全てではないけれども、幾つかの代表的検査例を通じて、各役所へ規範を示しているということだろうと思います。そういうフィードバックを活かすのも殺すのも、各省庁・機関であると思います。なので、他人から「こういうところがオカシイぞ」といちいち言われる前に、本来は自ら改めることが大切なのです。他が指摘を受けていれば、似たような事例は各機関が率先して「ウチも改めよう」ということが最も必要なんだろうと思います。会計検査院には今後とも鋭い切り込みを期待して、頑張って頂けるものと思っています。


谷垣くんは、「項羽の心境」という、ちょっと可哀想な状況となってしまったね。勇気をもって飛び込んでいってみたものの、集中砲火を浴びてしまい、「財務省」「政府税調」「財政審」の意向を反映した意見も、あっさり「拙速」「安易」「理解が得られない」といった批判を受けることとなってしまった。当面の状況は「国民の人気」を誰が得られるかが重要な時期なので、そういうことも影響したのかもしれませんね。


道路財源に関しては、小泉首相の指示があった、ということですが、一般財源化ということも視野に入れた検討がなされるということのようです。北城経済同友会代表の「容認」発言がありました。まあ、あくまで個人的見解(笑)ということですけれども。奥田さんも同じように個人的見解ということでしたね(話題シリーズ16(ちょっと追加))。


経済団体でも、幾つか意見が分かれるということでしょうか?それはそれでいいと思いますけれども。今後を見ていきたいと思います。自民党からは、柳沢税調会長の発言もありましたし、石原氏を道路調査会長に据えたり、ということもありました。今後も色々と綱引きは続くでしょう。