北海道は日本の景気回復から取り残されており、その為に地方税収は伸びず、自治体そのものの運営も行き詰まりが出て来たのだろうと思います。いよいよ危機的状況を目前にして、人件費の大ナタということになってしまいました。財政再建団体転落を回避する為には、年収ベースで15%カットということになるかもしれないとのことです。これも止むを得ないことなのかもしれません。
NIKKEI NET:政治ニュース
記事より一部抜粋。
北海道は25日、2006―07年度に職員の基本給を一律10%削減する人件費削減案を発表し、労働組合に提示した。ボーナスなどを含めると、平均年収の15%に相当する115万円が減ることになり、都道府県の給与削減幅では最大となる。削減率はボーナスが一律15%、管理職手当も一律20%。退職金も5%減らす。また知事は月額報酬、ボーナスとも25%削減。副知事、出納長は報酬・ボーナスを各20%削減する。
警察も教員も例外ではなく、カットだそうです。
かつて「役人王国」などと呼ばれ、公共事業王国でもあったのでしょうが、遂に「ヤキが回った」ということでしょうか。道警や道庁の巨額裏金問題があったように、長い間続けられてきた悪しき慣習が自分達の首を絞めることになったのでしょう。お天道様は見ているのですよ、きっと(笑)。不正に自分達の懐に入れた分を、今になって「返してもらう」という見方も出来なくはありませんが、勿論全員が裏金の恩恵を受けていたかどうか判りませんから、一律に削られるのは酷な気もします。まともな職員も被害を受けざるを得ないのですね。ちょっと可哀想ですね。
北海道という地域的特殊性はある程度は理解できます。人口の割りに面積が広く、人口一人当たりの「道路延長距離」といったような指標では、他の都府県に比べて多くなるだろうな、と。町と町を結ぶ道路を整備すると、大都市圏は人口当たりの距離が短いので、住民一人当たりの負担が軽く済みますが、北海道は負担が重くなるということです。人口集積の少ない地域が多ければ多い程、社会インフラ整備には一人当たり負担が重くなるのかな、と思いますね。その他にも、漁港や農村などは、「補助金頼み」という部分があったでしょうから、これも自治体の財政悪化要因となっているかもしれません。他の大きな負担と言えば、除雪費でしょうか。雪がたくさん降る年は費用がかさみますし、予測が困難な費用ですので、他地域に比べて困るかもしれませんね。面積が広いことも不利となってしまいます(除雪するべき道路延長距離が長くなるだろう)。
北海道は安定的な収益源がないことが最大の問題でしょうね。それか、いっそ独立してしまうとか?他から収益が入ってこないので、何でも他の地域と同じ水準を維持しようとすれば、どうしても厳しいということになりますね。財政的に貧乏な地域は、それなりに過さねばならない、ということでしょうか。
話は変わりますが、義務教育費の国庫負担問題についてです。
コメントにご質問がありましたので、少し書いてみたいと思います。まず、結論から言えば、よく判らない、ということになります。誠に恐縮ですが、本心としてはそうなります。かなり難しい問題です。
今まで三位一体改革の中身について殆ど記事には書いてこなかったのですが、それは地方財政とか地方分権というものの実態をよく知らないからで、地方側が「義務教育費国庫負担8500億円移譲を」というのは、地方の中でかなりの検討をした結果であろうし、金額の大きさとか出来る範囲といった部分を考慮した結果であろうと思います。素人の私が、別の財源を見つけ出すことは困難であろうと思います。なので、私が「地方側が正しい」とか、「中教審側が正しい」という判断をすることは難しいですね。
今後の政府の将来像をどのように考えるか、ということにも関係しますね。基本的に、中央政府と地方政府という形で地方分権を推進し、中央での役割を縮小していくんだ、ということを基本とするならば、中央の持っている決定権を大幅に地方に移していくべきですね。財源もそうですね。そういう将来像であれば、地方の要求通りに義務教育費を移譲することも選択肢の一つでありましょう。また、地方政府の運営に対して信頼性がどの程度置けるかという点でも、信頼に足らないとするなら「移譲出来ない」ということも理解でき得るし、信頼出来るとするなら移譲したとしても何ら問題はない、というふうに選択することも有り得ますね。中教審が現在の地方政府の状況を見るに、信頼性には地域差があって、十分信頼に足るという地域もあるのかもしれませんが、一部には信頼出来ないとする地域が存在するならば、そういう危惧が払拭出来ない以上「やはり中央で」という意見を述べることは仕方がないことだろうと思います。
結局、最終的には政治判断が求められることになる訳で、もしもどちらに決定するとしても、幾つかの「条件付き」というか、制約が発生することになるんじゃないかな、と思います。義務教育に関することですので、「失敗だった」では済まされないという側面もあり、また、国民の教育への批判の大きさなどを鑑みれば、慎重な対応とならざるを得ないでしょう。本当は財源を地方へ移したからといって、明日から教育現場がガラッと変わるというようなことはないでしょう。しかし、遠い将来についても保証するものでもないので、最終決定には勇気が必要だろうと思います。地方の「私達がちゃんとやれるんだ」を信じられるかどうか、ですね。
三位一体改革については、各省庁が「移せない」ということを一様に回答しているので、中央官庁はハッキリ言えば「変える気などない」ということだろうと思います。中央の少数が考える方が正しく、地方に任せるとどんなバカな決定をするか知れたものじゃない、といった過激なご意見もあるかもしれないですが、地方分権などという考え方そのものに否定的なんだろうな、と。この辺も政治的な方向性というか解決法を見出さないと、省庁に「移譲財源を出せ」と言っても、ガッチリ「ヒモ」を握っている手を、そう簡単には緩めたりはしないだろうな(笑)。
分権と言っても、ミニ霞ヶ関が全国のあちこちにバラバラに存在しても、これまた問題が発生するかもしれないし。現有の地方組織だけで対応可能となれば、中央の大幅な縮小は可能になるか。難しい問題ですね。
NIKKEI NET:政治ニュース
記事より一部抜粋。
北海道は25日、2006―07年度に職員の基本給を一律10%削減する人件費削減案を発表し、労働組合に提示した。ボーナスなどを含めると、平均年収の15%に相当する115万円が減ることになり、都道府県の給与削減幅では最大となる。削減率はボーナスが一律15%、管理職手当も一律20%。退職金も5%減らす。また知事は月額報酬、ボーナスとも25%削減。副知事、出納長は報酬・ボーナスを各20%削減する。
警察も教員も例外ではなく、カットだそうです。
かつて「役人王国」などと呼ばれ、公共事業王国でもあったのでしょうが、遂に「ヤキが回った」ということでしょうか。道警や道庁の巨額裏金問題があったように、長い間続けられてきた悪しき慣習が自分達の首を絞めることになったのでしょう。お天道様は見ているのですよ、きっと(笑)。不正に自分達の懐に入れた分を、今になって「返してもらう」という見方も出来なくはありませんが、勿論全員が裏金の恩恵を受けていたかどうか判りませんから、一律に削られるのは酷な気もします。まともな職員も被害を受けざるを得ないのですね。ちょっと可哀想ですね。
北海道という地域的特殊性はある程度は理解できます。人口の割りに面積が広く、人口一人当たりの「道路延長距離」といったような指標では、他の都府県に比べて多くなるだろうな、と。町と町を結ぶ道路を整備すると、大都市圏は人口当たりの距離が短いので、住民一人当たりの負担が軽く済みますが、北海道は負担が重くなるということです。人口集積の少ない地域が多ければ多い程、社会インフラ整備には一人当たり負担が重くなるのかな、と思いますね。その他にも、漁港や農村などは、「補助金頼み」という部分があったでしょうから、これも自治体の財政悪化要因となっているかもしれません。他の大きな負担と言えば、除雪費でしょうか。雪がたくさん降る年は費用がかさみますし、予測が困難な費用ですので、他地域に比べて困るかもしれませんね。面積が広いことも不利となってしまいます(除雪するべき道路延長距離が長くなるだろう)。
北海道は安定的な収益源がないことが最大の問題でしょうね。それか、いっそ独立してしまうとか?他から収益が入ってこないので、何でも他の地域と同じ水準を維持しようとすれば、どうしても厳しいということになりますね。財政的に貧乏な地域は、それなりに過さねばならない、ということでしょうか。
話は変わりますが、義務教育費の国庫負担問題についてです。
コメントにご質問がありましたので、少し書いてみたいと思います。まず、結論から言えば、よく判らない、ということになります。誠に恐縮ですが、本心としてはそうなります。かなり難しい問題です。
今まで三位一体改革の中身について殆ど記事には書いてこなかったのですが、それは地方財政とか地方分権というものの実態をよく知らないからで、地方側が「義務教育費国庫負担8500億円移譲を」というのは、地方の中でかなりの検討をした結果であろうし、金額の大きさとか出来る範囲といった部分を考慮した結果であろうと思います。素人の私が、別の財源を見つけ出すことは困難であろうと思います。なので、私が「地方側が正しい」とか、「中教審側が正しい」という判断をすることは難しいですね。
今後の政府の将来像をどのように考えるか、ということにも関係しますね。基本的に、中央政府と地方政府という形で地方分権を推進し、中央での役割を縮小していくんだ、ということを基本とするならば、中央の持っている決定権を大幅に地方に移していくべきですね。財源もそうですね。そういう将来像であれば、地方の要求通りに義務教育費を移譲することも選択肢の一つでありましょう。また、地方政府の運営に対して信頼性がどの程度置けるかという点でも、信頼に足らないとするなら「移譲出来ない」ということも理解でき得るし、信頼出来るとするなら移譲したとしても何ら問題はない、というふうに選択することも有り得ますね。中教審が現在の地方政府の状況を見るに、信頼性には地域差があって、十分信頼に足るという地域もあるのかもしれませんが、一部には信頼出来ないとする地域が存在するならば、そういう危惧が払拭出来ない以上「やはり中央で」という意見を述べることは仕方がないことだろうと思います。
結局、最終的には政治判断が求められることになる訳で、もしもどちらに決定するとしても、幾つかの「条件付き」というか、制約が発生することになるんじゃないかな、と思います。義務教育に関することですので、「失敗だった」では済まされないという側面もあり、また、国民の教育への批判の大きさなどを鑑みれば、慎重な対応とならざるを得ないでしょう。本当は財源を地方へ移したからといって、明日から教育現場がガラッと変わるというようなことはないでしょう。しかし、遠い将来についても保証するものでもないので、最終決定には勇気が必要だろうと思います。地方の「私達がちゃんとやれるんだ」を信じられるかどうか、ですね。
三位一体改革については、各省庁が「移せない」ということを一様に回答しているので、中央官庁はハッキリ言えば「変える気などない」ということだろうと思います。中央の少数が考える方が正しく、地方に任せるとどんなバカな決定をするか知れたものじゃない、といった過激なご意見もあるかもしれないですが、地方分権などという考え方そのものに否定的なんだろうな、と。この辺も政治的な方向性というか解決法を見出さないと、省庁に「移譲財源を出せ」と言っても、ガッチリ「ヒモ」を握っている手を、そう簡単には緩めたりはしないだろうな(笑)。
分権と言っても、ミニ霞ヶ関が全国のあちこちにバラバラに存在しても、これまた問題が発生するかもしれないし。現有の地方組織だけで対応可能となれば、中央の大幅な縮小は可能になるか。難しい問題ですね。