ISOな日々の合間に

土曜日は環境保護の最新の行政・業界動向、日曜は最新の技術動向を紹介。注目記事にURLを。審査の思い出、雑感なども掲載。

「ローマ人の物語」 12へ

2006年05月15日 | お楽しみ
軍の即時解散と帰国を命ずる「元老院最終勧告」を突きつけられたカエサルは、国賊と呼ばれるのを覚悟で、自軍とともにルビコンを越える。「カエサル渡河、南進中」との報はローマを震撼させ、ポンペイウスと「元老院派」議員の多くがローマを脱出する。まもなくカエサルはイタリア半島を掌握。ポンペイウスはギリシアで迎撃に備える。ローマ世界全域で、領有の派遣をめぐる戦いの火蓋が切られようとしていた。(カバー裏の記載から)

政治も軍事も、いや人間がかかわるほとんどすべてのことは、一プラス一は二になるとは限らない。三になることも四になることもあるし、反対に0.5で終わることもある。ルビコン川からメッシーナ海峡までの本国ローマは、本国であるだけに、プラス・アルファーがあった。この点を、ポンペイウスは見逃した。(中略)カエサルは、もしもコンピュータが存在していたとしてもそれによって図ること不可能な、このプラス・アルファーの重要性を知っていた。(帯から)

ポンペイウスと元老院派議員がギリシア逃げ出したあと、カエサルは執政官に任命され政府軍としてポンペイウスを追うことになる。ギリシアのファルサルスにて、秤量も兵力も勝るポンペイウス軍を破ることで、すべての展開は好転し、さらにエジプトまで追ってゆく。

かつてアレキダンダー大王に征服され、その将の一人を開祖とするエジプトのプトレマイオス王朝は、そのとき姉であるクレオパトラと弟との政権争い真最中であった。逃げるポンペイウスは、歓迎すると装った弟王側の宦官の手にかかりあえなく殺されてしまう。

同盟国の安定を図るのが盟主であるローマの当然の役割でありカエサルは積極的に調停に乗り出すが、調停の過程で、弟王に組するギリシア系住民との戦いにより、有名なアレキサンドリアの大図書館や灯台が焼失・破壊されてしまう。

また、クレオパトラとの関係では、「愛を交わすだけで話ができない女では、カエサルの愛人としては長続きしないのである。この若い女王は、ユーモアもセンスも充分だった。勝負師的性格でも似ているこの二人の間が愛人関係に進んだこともごく自然な展開だったろう。」という。

(060515 福井にて)