自由が丘 ワイン処 コッコロ 元店主の美味しいもの日記

ワイン大好き、イタリア大好き、
美味しいもののためなら何処へでも♪

相変わらずポルトガル・・・

2013年12月04日 | ワイン日和
昨年ポルトガルの旅を主催くださった洗足のパン屋さんワルン・ロティは、毎年ワインとパンのセミナーを開催している。こうしたセミナーは、だいたい週末に行われるのだが、ここでは、火曜日。 それは、火曜日定休日の私に「出ろ!」ってことでしょ?

で、11月は、「マディラ」の回。 マディラは、大西洋に浮かぶポルトガル領の島。 リスボンからは、約1000キロ離れている。大航海時代には、南北アメリカ大陸へ向う中継地として発展。 ここで造られているのが、マディラ酒だ。 ポートと同じく酒精強化ワインといわれる。ワインが発酵している途中でブランデーのようなアルコール度数の高いお酒を添加することによって、ぶどうの糖分がアルコールへと発酵するのを途中で止めてしまう。なので、糖が残り、甘いお酒になる。

このマディラ酒を父親の時代から輸入していたという2代目社長が、セミナーの講師だった。今では、ワイン輸入業者は山のようにあるが、その時代は、きっと大変だったし少なかったことだろう。 こちらで輸入しているワインは、天皇家主催のイベントでも使われるそうだ。ふ〜む。
この2代目、日本のワインも扱っていて、日本ワインのネゴシアンを目指しているとのことで、数々の日本のワインのプロデュースもされているそうだ。と、いうことで、まずは、山梨の桃を使ったスパークリング。 どうもこういった女性向けのお酒の苦手な私、ななめ目線で一口ぐびっ。桃のさわやかな香りがわ〜っとはじけて、甘さもさらっとさわやかだ。 お、これならイケる。 色もかわいいし、いいじゃん。
そして、何種類かのメディラをいただく。 その中には、1940年のものも・・・。 酒精強化ワインは、ワインと違い、常温で保管でき、劣化が少ない。昨年のポルトガル旅行でも、自分の生まれ年のポートを買ってきたから、還暦(まだまだ先だけど?)の時に、開けようと思っている。と、話が脱線したけど、講師の方のお話で面白かったのは、ワインとマディラの発酵・熟成方法の大きな違い。ワインのタンク・樽は、暗いセラーで熟成されるが、マディラの熟成庫は、窓から光が入ってくる。そして、ワインのタンクは、温度を調整するために、冷水がタンクの回りを巡回するのに対し、マディラは、温かいお湯が巡回するとのこと。そうして熟成を早めるのだ。へ〜〜〜〜。
  
途中、ワルン・ロティ大和田さんの焼いたポルトガルのパンとポルトガルで買ってきたというカルテロ・ブランコというチーズをいただく。
このカステロ・ブランコ、同じ名前の地名で作られているのだが、これが、また、美味しいのなんの! 昨年訪問したセーラ・ダ・エストレーラという羊乳で作られるチーズも世界一おいしいといわれるチーズの一つなのだが、これも同じタイプ。でも、もっと食べやすくて、チーズの表皮もヌメヌメしていなくてサラっとして、食べられる。あ〜、ポルトガルって、なんて美味しいんだろ〜。また、行きたくなった!

セミナーが終了して、またまた、発覚したこと。9月に勝沼に行ったとき、私は、蒼龍というワイナリーで赤のスパークリングというのが、珍しかったから購入していたのだが、その話を一緒に行ったSさんが、その講師の方にお話しすると・・・、なんと、それもこの講師の方がプロデュースしたものだった! こちらもびっくりだが、講師の方も、かなりの興奮状態で、驚いていたそうだ。世の中狭い、というか、なんでいつも、こういった面白い偶然が起こるのだろう。

さて、次の週の火曜日は、コッコロの開店当初からおつきあいのあるワイン輸入業者さんの試飲会に参加。
湯島にある木村ガラスさんのショールームで、開催された。ワイングラスを作っている方とワイン業者さんのコラボ。これも、面白い。ショールームに何百ものグラスが展示されているのだが、そのどれを使ってもいいという。 でも、貧乏性の自分は、一種類で通してしまった。トホホ。

ここでもポルトガルへとご縁がつながる。
以前、このワイン業者さんの試飲会で、ワイン仕入担当の方とお話をしたことがある。 もともとは、フランス専門の業者だったが、ここ数年は、イタリア・スペイン、南米と仕入先を広げていたが、「ポルトガルも面白いから、どうぞ、ポルトガルもワインを入れてくださいよ〜」と、お願いをしたことがある。ま、それで、ポルトガルを仕入たとは考えすぎだろうが、今回の試飲会のメインは、ポルトガルだった。英語のお上手な社長の娘さんがセールス・レディとして来日していた。 この生産者、ペーニャ山という山のふもとで、ぶどうを生産しているのだが、我々もその近くまで行きましたよ〜、そう、その田舎まで〜。
このアレンテージョ地域、夏はとにかく暑い。 日差しが強くて、バスで移動中、誰も働いている人を見なかった。動物も日蔭でお休み。
その天候のおかげで、19世紀後半、ヨーロッパのぶどうに壊滅的な被害をもたらしたフィロキセラ(ぶどうの木に寄生する害虫)の被害を免れた。フィロキセラさえ、死んでしまう厳しい土壌で育つブドウ。なんとも力強くて、愛おしいではないか。
美味しく飲んであげるからね〜。

と、遊んでばかりいる店主ではないのだぞ、と、今日は、このブログを書いてみました♪

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