なかなか楽には勝たせてくれません。
それまで好守に阻まれてはいましたが二度の痛烈な打球を放っていた鈴木でしたので期待はしていましたが、その期待どおりの、三度目のリプレイのような打球はロッテファンの声援にも押されて右中間を抜く走者一掃のスリーベースとなり、残るはあと1イニング、ミスター三者凡退の西野で終わり、の皮算用がしかし脆くも崩れます。
あわや同点、逆転のピンチをしかしギリギリで切り抜けて、前日に開いた差を詰めての2ゲーム差です。
そして前回にようやく叩いた西との対戦は今季のオリックスとの最終戦、同じ顔合わせでオリックスキラーを再びに古谷に発揮をしてもらって、CSに出場ができたのは、ゴールデンイヤーを飾れたのはオリックスのおかげだと、そう後に語れるようなお客様の16勝目で西武との直接対決に向けて勢いをつけましょう。
さして相性がよいとも思えない敵地所沢に涌井を温存したのでしょうから、その前に躓くわけにはいきません。
先発に復帰なのかパートタイマーなのかは分かりませんが、藤岡が6回5安打1失点と嬉しい誤算な好投を見せてくれました。
好投、とは言いながらも藤岡らしい暴れ気味なピッチングが適度にばらけたのが功を奏したのか、それでもしっかりと腕が振れていましたし、まだまだ物足りないもののストレートもそれなりの数字が出ていましたから、遠目ではありましたが降板後に満足げな笑顔も見られた藤岡です。
それだけに大嶺祐、陳冠宇に続いて粘りの先発に白星をプレゼントできなかったのがもったいなく、それこそ終盤戦のラッキーボーイの誕生のチャンスを逃した感があります。
内の2年ぶりの勝利はそれはそれで喜ばしいものの、今日は藤岡で勝たなければならない試合でした。
こと藤岡については喜びよりも、悔しさの方が強いのが正直なところです。
さすがに業を煮やしたのか、あるいは腰だかの具合が悪化をしたのかは分かりませんがクルーズをスタメンから外した打線は、例によってそれなりにチャンスはありながらも決定打に欠いたままで終わりそうなところを、鈴木の一振りによるやっとのことでの勝利です。
シリコンバンドの効果も無く空席の目立つライトスタンドも、狂喜乱舞の一撃でした。
結果はともあれ加藤が足を活かそうとしていましたし、ストレートには押し込まれ気味で塀内を思い起こさせながらも巧みなバットコントロールで高濱にもヒットが出るなど見どころもあり、何より守備でも打撃でも今江が元気に動き回っていることがファンにとってもチームにとっても心の支えになっているように思います。
気になったのは六回に同点に追いつく美しすぎるタイムリーを放った福浦にあっさりと代走を出したことで、鈴木が打ってくれたからよかったものの八回のチャンスに打席が回ってきましたからその存在感からしても早すぎる交代だったかなと、ここがポイントと前のめりになった伊東監督としてはやはり鈴木に感謝でしょう。
何はともあれシリコンバンドが二つ目の黒い物体にならなくてよかったと、そしてファンは正直なもので、余りまくっているそれの今後が気になります。
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◆9月11日(金) 千葉ロッテ-オリックス24回戦(ロッテ15勝9敗、18時15分、QVCマリン、14,772人) ▽バッテリー |