ゴシック III |
半年ぶりのゴシックです。
日本にいる姉に頼まれての買い物をするために都会まで出てきた久城一弥が、少女がデパートで忽然と消える謎に挑むといったストーリーです。
今回はヴィクトリカが生まれて初めての風邪をひいて熱を出したために、これまでのように二人で連れだっての謎解きではありません。
しかしそこは知恵の泉のヴィクトリカ、一弥から電話で聞いた情報だけであっさりと解決をしてしまいます。
そのぐらいにミステリー、という点では、かなり物足りない感じのする第三弾でした。
むしろメインは一弥とヴィクトリカの、その幼い恋愛ストーリーに置かれているように思います。
どこか微笑ましい、そしていじらしいヴィクトリカと、そういった気持ちに鈍感な一弥ですので、ある意味で定番と言えば定番です。
そしてヴィクトリカの謎にかかる新たな登場人物も出てきましたし、シリーズの中での次に向かうための整理の一冊と割り切ればいいのかもしれません。
ブロワ警部やブロワ侯爵家にかかる伏線も蒔かれ始めましたし、さあこれからです。
2013年12月3日 読破 ★★★☆☆(3点)