映画祭りに入りながらも当日にしかチケットが取れない制約から良席に恵まれずにズルズルときていましたが、そうこうしているうちに上映が終わりそうなので今日は割り切りました。
しかしその割り切りが果たして正解だったのか、見逃した方がよかったのではないかとも思えた「悪の教典」です。
R15+なりの殺戮シーンがありながらもスプラッタなところは控えめかなといったところでしたが、その殺戮の動機が自分にはよく分かりませんでした。
単なるゲームにしか思えず2時間以上の上映時間が重苦しいだけで、珍しくもエンドロールで誰も立ち上がらずに異様な風景だったのが印象的です。
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悪の教典 |
生徒から絶大な人気を誇り、同僚の教師からも信頼厚い主人公が実は目的のためには殺人をも厭わない人物であり、ちょっとしたきっかけから文化祭の準備で夜に学校に籠もっていた生徒を殺しまくるといったストーリーで、後半は猟銃を持って学校内で人間狩りをするシーンが延々と続きます。
サイコパスといった設定なのかもしれませんがそういった描写は今ひとつでしたし、むしろ単なる狂気のようにしか感じられませんでした。
あるいはラストシーンが象徴をするように見る側にそう思わせるのも一つの思惑だったのかもしれませんが、そこに納得感はありません。
いわゆるオチは思い描いたものが二つとも裏切られたので伏線の置き具合は見事ではあったものの、しかし釈然としないものが残ります。
原作がある作品ですのでその原作にはもっと奥深い描き方がされているのかもしれませんが、しかしそれを読もうという気にはとてもなれない心境です。
かなり楽しみの沸点が低い自分ではあるのですが久しぶりに外したなと、そんな映画祭りの二作目でした。
2012年12月20日 鑑賞 ★★☆☆☆(2点)