オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
since 2007.4.16
写真など一切の転用、転載を禁止します

日本人には合わないかも

2011-11-13 04:25:21 | 映画

観ようと思っていた映画が予想外に人気があったようで23時台であっても満席状態だったために、今ひとつ気乗りがしなかったのですが「マネーボール」を観てきました。
こういった自伝的な映画はハズレが多いので正直なところパスをするつもりだったので、ほとんど勢いでしかありません。
そして世間的な評価はかなり高いようですが個人的にはイマイチ、イマニ、イマサンといった感じで、何が悲しくてこんな時間に映画館にいるのだろうかと涙が出てきました。

マネーボール

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

今や球界の一つの常識ともなりつつあるマネーボールですが、こと日本では受け入れられるのは難しいかもしれません。
映画でも描かれていましたが、完全に選手を商品として扱うところなどは日本人には合わないと思われます。
成績が落ちても生え抜き選手には思い入れが強くあるのが日本の特徴ですし、それなりに結果を残した石川前球団運営本部長への風当たりを見ればそれは明らかです。
また戦略としてはロッテのような貧乏球団は積極的に取り入れるべきではないかとは思うものの、トップがあれでは編成部も落ち着いて仕事はできないでしょう。
統計学に基づいて編成をしても、オーナーが感情論に走り、監督が数字を無視した采配をするようではお話になりません。

話を映画に戻しますが、この描き方ではビリー・ビーンよりもピーター・ブランド、その逸話からすればおそらくはポール・デポデスタがモデルではないかと思われますが、こちらの方が主役ではないかと思えるぐらいの感じがあります。
もちろん優秀な部下の提案を採用することこそが上司の能力の一つではあるのですが、自伝の映画化にしては意外な感じが否めません。
その一方でスカウトや監督を旧時代の遺物のような描写をしたり、意味不明な娘との交流を持ちだしてみたりと、何を語りたかったのかがよく分かりませんでした。
著書を読んでいるという前提があっての映画化ではないかと思うぐらいにそもそもの主題であるマネーボールの説明もおろそかであり、かなりのガッカリ感があります。
それでいて20連勝のシーンの異様な盛り上げ方には違和感がありまくりで、久しぶりに観たことを後悔した作品でした。


2011年11月12日 鑑賞  ★★☆☆☆(2点)

 

コメント (8)    この記事についてブログを書く
« 2011年通信簿 14 大谷智久 | トップ | 2011年通信簿 15 上野大樹 »

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マネーボール (パンテーラ)
2011-11-13 10:04:49
マネーボールには詳しくないですが、
①打率よりも長打率よりも、出塁率を重視する。
②打者の能力を評価するのに、打点には意味がない。
③選手の将来性には期待を抱かず、高校生は獲得しない。
④被安打は投手の責任ではない。
⑤勝ち星も防御率も投手の能力とは関係ない。
こんな考えではなかったか、と。
BV氏も影響を受けていましたなぁ。
やたら投手の四球を嫌い、打者は出塁率で評価するため、投手は軟投派が増え、打者は四球で満塁にするが「俺が返す」ではなく、四球狙いなので、ここぞというときに打てなくなる弊害も高く、満塁病なんて言葉がありました。

広島カープも一時期これに近い考え方をしていましたが、今は止めたみたいです。

ロッテには合うと個人的には思っているのですが、
「育ったら生え抜きだろうが、外様だろうが、次々放出し『安く買って、高く売る』を実践し、利益を捻出しなければならない」ところが、ウェットなロッテファンに受け入れられるとは思えないんですよね。
返信する
Unknown (mk)
2011-11-13 11:31:21
映画の出来不出来はともかく、球団によって使える予算に差があるという不公平の中で、貧乏球団がどうやってコストパフォーマンスの高い選手を獲得して勝利するか、という観点では今のロッテのような球団の選択肢の一つかとは思います。
お金がないという制約の中では何かを得ようとすれば何かを失うことになるわけで、巨人や阪神やソフトバンクといった金満球団にロッテが一泡吹かせてやっぱり勝利がファンには一番と思うのか、それともコストパフォーマンスが少々落ちてきても生え抜きを大事にしながら、CSを狙えるレベルで良しとするのか。

少なくともロッテのような球団はどちらも狙うことが難しいということが、わかりやすく説明されていたと思うので、貧乏球団のファンは一度見ておいても良いと思います。(笑)
返信する
お返事 (オリオン)
2011-11-14 00:04:48
>パンテーラさん
バントはしない、盗塁もしない、というのも特徴みたいです。
最近はアスレチックスも軌道修正をして、バントや盗塁をし始めたみたいですが。
出塁率を重視することは重要ですが、それも返す打者がいてこそです。
どうにも押し並べて似たような打者が並んでいるロッテ打線だけに、ここはマネーボールに反した「三振かホームランか」といった打者が一人でもいるだけでずいぶんと変わってくるように思います。
メジャーライクな「選手は商品」で売ったり買ったりはロッテだけではなく、なかなか日本では受け入れられないでしょう。

>mkさん
そういう意味では石川前球団運営本部長は必死にコストパフォーマンスに注目してチーム編成をしていたようですが、上司の理解がなければどうにもなりません。
あれだけ不振のサブローに厳しいことを言っていたファンが、いざトレードとなると文句を言うのが現状ですし、なかなか難しいところではあります。
映画としては仰せのとおり「うちはヤンキースのようにはいかない」と割り切っての編成は参考になります。
ただトップが「売上げをソフトバンク並みにせよ、でも出費は抑えろ」ですから、そりゃ瀬戸山前球団社長も辞めたくなりますよね(苦笑)
返信する
Unknown (hitmachine9)
2011-11-14 06:37:07
日本でビッグボールやセイバー野球の受けが悪いのは、先の大戦でアメリカに負けたコンプレックスのある先人たちが、細かい野球こそベースボールの王道であると神格化した為のような…
スモールボールのスタイルが真面目にコツコツやれば報われるだろうと思いたい、日本のお父さんのメンタリティを満足させて野球が国民的スポーツとして盤石なものになった経緯が…
個人の嗜好と云う以前にかなりバイアスがかかっている訳で… 野球が全国民的とは言えなくなった現在、 細かい野球を相対視できる世代が、指導者になれば…
先立つ物が無ければ、無いなりにやりくり算段しなければならんでしょうが、彼らは現実に対して、へんなストイシズムに陥りがちな日本人には及ばない、リアルな眼差しがありますよね… 第二の敗戦と懸案された事態が、現実の運びとなるようで世の中どうなるのでしょう…
返信する
推測 (パンテーラ)
2011-11-14 21:18:24
打ちにいって狙い打ちするのと、
四球狙いなのに、ストライクが来たので慌てて打つのと、
どちらがチャンスに強いのか?
うちのバッターは後者が多かったんじゃないかな?
成績評価項目に出塁率が入っていたんじゃないか、と勘ぐりたくなるほど四球狙いで、やたら塁が埋まったんですよね。
ただ埋まった後の役割行動を取れない打者がたくさんいたのが、残塁グランドスラムとか満塁病とかやゆされた現象の原因だったのではないでしょうか?
BV野球はそれで説明が尽きます。
尤も、西村野球は満塁すら珍しいものになろうとしていますが(苦笑)
返信する
お返事 (オリオン)
2011-11-14 23:04:33
>hitmachine9さん
マネーボールはスモールベースボールではありませんし、むしろその逆をいっています。
そして限られた財布の中でどう最大限の効果を引き出すかに血道をあげる、といったところではないでしょうか。
そのためにはシビアに選手を切らなければなりませんし、このあたりは好き嫌いがハッキリとしそうです。
ご指摘のよう日本人はそういった文化に馴染んでいないところがありますので、いい悪いは別にしても定着はしないように思います。

>パンテーラさん
出塁率を高めることは悪いことではありませんし、繋ぐ意識で四球を多く選んでくれることはむしろ歓迎をしています。
そのことが人任せとの見方にも繋がるのですが、要はそういった努力で塁上を埋めても返す打者がいないという打線の不細工さこそが問題だと考えます。
もちろん「俺が」の意識も必要ですが必要以上になると逆効果ですし、打線が打線として機能をしていないことの改善が第一かと。
つまりは大砲を何とかしなければ、という永遠の課題です(涙)
返信する
Unknown (JF)
2011-11-23 16:20:45
この記事を読んで見るのを迷っていましたが、野球好きなのでやはり見てみることにしました。
マネー・ボールの成功実話やブラッド・ピッドの起用など素材は抜群なのに、どうもそれを活かし切れていない中途半端な映画だなぁというのが見終わった後の感想です。
なぜ思い切った改革をしようと思い立ったのか、結果が出なかった開幕直後から具体的にどのような手を打って20連勝まで繋げたのかが見えず…。
常識に捉われない、リスクを買って出る…といったメッセージ性が前面に押し出された作品かと思っていたので、違和感がありました。
やはり原作を読めということでしょうか。
返信する
お返事 (オリオン)
2011-11-24 02:16:33
たぶんそういうことなのだと思います。
ドラフト1巡目で入団をして期待をされていた自分がなぜ結果を残せなかったのか、ビリー・ビーンの第一歩はそこにあるとはよく言われていることですが、そのあたりを回想で表現していたつもりなのでしょうが知らない人からすれば分かりづらかったと思います。
むしろ数値を重視するピーター・ブランドを上手く使った経営者的な視点が強かったかなと。
20連勝もそうでしたが、そこに至ったところの説明が足りないように思えました。
ブラピにおんぶにだっこ、という気がします。
返信する