電脳筆写『 心超臨界 』

どんな財産も誠実にまさる富はない
( シェークスピア )

「坐忘」小我を捨てて大我に帰る――松原泰道禅師

2024-07-19 | 03-自己・信念・努力
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「忘」というのは、執着を去るという意味でいいのですが、「坐」の意味は何でしょうか。漢和辞典を引きますと、「坐に和して本却(ほんきゃく)す」とあります。本却、というのは、ひっくり返すという意味。立つ、に対して、座すということで、いっぺんひっくり返してしまうという意味で、自分を忘れてしまう。我というものを忘れてしまう。忘れるとは「forget」ではなくて、執着するのを取り去るという意味です。


『人生をささえる言葉』
( 松原泰道、主婦の友社 (2001/05)、p42 )

11 坐忘(ざぼう)――『荘子』
  小我を捨てて大我に帰る

「坐忘」とは聞きなれない言葉ですが、中国の『荘子』という書物にある言葉です。孔子の弟子の顔回(がんかい)が、「先生、私は仁義や礼楽を深く究め、いまや坐忘の心境です」と言います。

孔子が坐忘とは何かと尋ねますと、顔回は、「主体を落とし聡明を退く。形を離れ、知をを去り、大通に同じ、これを坐忘という」と答えます。主体を落とすとは、いわば両手、両足を落としてしまうということで、体に執着を持たないということ。聡明を退くとは、学識を誇らない、学問に頼らないということ。

夏目漱石の『草枕』に「智に働けば角が立つ、情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」とありますが、知・情・意にからまるものを全部とってしまう。それが、手足を除くということ。それから、自分はこれだけの知恵、聡明な者だという自分への執着も捨ててしまう。また、「大通」とは、儒教では天地に通ずる大道のことで、仏教で言えば、大きな悟りです。

「忘」というのは、執着を去るという意味でいいのですが、「坐」の意味は何でしょうか。漢和辞典を引きますと、「坐に和して本却(ほんきゃく)す」とあります。本却、というのは、ひっくり返すという意味。立つ、に対して、座すということで、いっぺんひっくり返してしまうという意味で、自分を忘れてしまう。我というものを忘れてしまう。忘れるとは「forget」ではなくて、執着するのを取り去るという意味です。

それを人生論でいうと、人間は、自分の地位とか名誉とかにしがみついている。結局、それはエゴイズムです。エゴとエゴがぶつかり合って、世の中がおかしなものになっている。それを解釈するには、この「忘れる」ということが非常に大事です。自己というものをいっぺん忘れ去ってしまうことです。宗教とか何とか堅苦しいことではなく、いっぺん常識というものを捨ててみないと本当のところはわからないのです。

忘れる、といいますと、ボケる、物忘れ、といったマイナスイメージがあって、普通はあまり好ましいことに思われていません。しかしそれをプラスにとって、俺が俺がという自我を忘れることによって、小さな自分というものから脱却する。そして、もっともっと大きな力で自分が生かされていることを自覚することが、「忘」の本当の意味です。小さな我、小我を捨てて、大我に帰る。自己を一度否定して、さらに自己を肯定するのです。俺なんていうものはないんだと、いっぺん捨ててしまって、死んでしまってはじめて本当の「自分」が見えてくるのです。
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