電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが犯す人生最大の過ちは
過ちを犯すことを常に恐れることである
( エルバート・ハッバード )

不都合な真実 《 皇室の「藩屏」再建に着手せよ――小堀桂一郎 》

2024-07-03 | 04-歴史・文化・社会
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すると相手方は次には野田佳彦政権の内閣官房の名で、〈女性宮家の創設〉なる異様な案件を提言し有識者を数次に分けて招請・諮問して、小泉内閣で未遂に終つた工作の名前を変へての再度の実現の目論見(もくろみ)に出た。昨年11月末に報道された公務としての〈皇女〉法制化案も、又しても名前を変へただけの女系天皇容認工作の再現である。破壊主義者達の執念の根深さは今後もどの様な一見無言の如(ごと)き仮面を着けて蠢動(しゅんどう)を始めるか判(わか)らない。厳に警戒が必要である。


〈 年頭にあたり 〉
◆皇室の「藩屏」再建に着手せよ――小堀桂一郎・東京大学名誉教授
(「正論」産経新聞 R03(2021).01.07 )

アメリカでは大統領選挙に際し選挙管理に不正が生じたとの俄(にわ)かには信じ難い理由で、その結果に納得出来ないと言ひ張る人々と、ともかくも出た結果を承認しようと言ふ人々との間で輿論(よろん)が二分されたままで年を越す事になつた。

  我が脚下を照顧せよ

斯様(かよう)な国論の分裂は、国家独立宣言以来高らかにデモクラシーを謳歌(おうか)し国是として来た国の面目を汚す深刻な事態である。然(そ)うなると二百五十年の国の歴史全般に対してさへ、それは本当に光栄の履歴だったのか、実際は自由の仮面の直(す)ぐ下に、強者による弱者の抑圧、陰謀と暴力による支配といふ醜悪な現実を隠して来た欺瞞(ぎまん)の歴史ではなかったのか、との真摯(しんし)な反省の聲(こえ)が上がる迄(まで)になつた。

その事自体は、自国の歴史にむけての国民の良心の判断として敬重すべき行動であり、我々日本人のアメリカ史理解にも資する所が大きい。建設的な姿勢だとの評判を与へておく事も出来よう。

只(ただ)、国論の分断という現状が長い歴史の解釈までに及ぶ、延(ひ)いてはその解釈の異同が更なる輿論の混乱を惹起(ひきお)こすといふ悪循環を冷静な立場から望見してゐると、実は他人事として静観してゐればよいといふ事態ではない、との所謂(いわゆる)他山の石宛(さなが)らの感想が湧いて来る。

それはアメリカのデモクラシーの熟成に僭越(せんえつ)にも助言せよといふのではない。国論の分裂は現にわが国にも生じてゐる、我が脚下を照顧せよ、との訴へである。

我が国は合衆国の約十倍に当る青史を有し、研究成果の目覚ましい縄文時代の遺跡にまで遡(さかのぼ)つて解読すれば、おそらく約七千年の昔に形成された固有の文明が自然に国家の形を具へるに至った、文字通りに悠久の履歴を持つ。且(か)つ、国家の形を成して以降の国民統合の経歴は、終始唯一系の皇統を以てしての不動の君主制の連続を保つてゐる点で、世界史の謎と呼んで然るべき奇蹟的な国柄である。

  皇統の連続性、お守りしたい

この国柄が世界史の奇蹟である所以(ゆえん)は、一に懸つて初代から現代第百二十六代の今上天皇に至る迄同一の血統の君主により皇位が継承されて来た点に在る事は、国際社会の万人が認めてゐる客観的事実であつて、如何(いか)に日本を忌み嫌ふ敵性国家でもこれを認めないわけには行かない。

さうである以上、この二千年来の皇統の連続性を従来の形のままに存続して頂くべくお守りしたいといふ願ひこそが国民の一般意志の結晶した姿である。この一般意志とは、現在日本国籍を有し、正常な判断力を有する人々の、といふ共時的意味ではない、国家形成以来この国土の住民であつた過去の全ての人間を含めて、といふ通時的意味での国民の総意である。

現在自前の国論の分裂とは、この一般意志の大同的な統一意見に異を唱へ、国民統合を分断しようと企(たくら)む破壊的分子の策動に由来する。その破壊主義者達は、己の思想と言動とを必ずしも破壊的とは自覚せず、此も亦(また)政治的意見の一種であり、それ故に自由に表明する事を認められてゐる範囲内の国家改造案だと考へてゐるらしい。

筆者の言ふ破壊主義的言動を具体的に指摘してみるならば、それは小泉純一郎内閣が設けた「皇室典範に関する有識者会議」が打ち出した皇室の「構造改革」の企みであり、その標語は〈女系天皇容認〉と皇位継承順位に於ける〈長子優先〉の二項である。大衆的次元で考へれば慥(たし)かに一種の政治的意見に過ぎない様な概念語に、然し皇室伝統を根底から覆へすに十分な毒が盛られてあつた。

  菅内閣は法制的に実現を

その毒に気づいた人々は平成18年に「皇室の伝統を守る一万人大会」を開催し、又「皇室の伝統を守る国民の会」を結成して破壊主義者達の謀略工作に対抗する思想戦開始を国民に呼びかけた。

すると相手方は次には野田佳彦政権の内閣官房の名で、〈女性宮家の創設〉なる異様な案件を提言し有識者を数次に分けて招請・諮問して、小泉内閣で未遂に終つた工作の名前を変へての再度の実現の目論見(もくろみ)に出た。昨年11月末に報道された公務としての〈皇女〉法制化案も、又しても名前を変へただけの女系天皇容認工作の再現である。破壊主義者達の執念の根深さは今後もどの様な一見無言の如(ごと)き仮面を着けて蠢動(しゅんどう)を始めるか判(わか)らない。厳に警戒が必要である。

これらの破壊的策動を圧服し排除してゆく王道の正攻法としては相手に与へる打撃は間接的であるかもしれないが、皇室の藩屏の再建といふ基本的な皇位継承の安定化作業が結局は最も有効である。

この作業は一部民間有志が平成13年に研究を開始し、平成24年春に月刊「正論」誌上でその要綱を公表、爾来(じらい)既に9年を経た。この間に該試案は各方面から多様な検討を受け、今や十分に具現化し、その内容も広く知られるに至つてゐる。国論の分断という破局を避けるためにも、菅義偉内閣は本年こそその法制的実現に着手すべきである。
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