電脳筆写『 心超臨界 』

手本は人を教える学校であり
他からは何一つ学べない
( エドマンド・バーク )

追い込まれたときに発揮される力は必ずある――羽生善治

2024-06-25 | 07-宇宙・遺伝子・潜在意識
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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勝負の席に着くと、私は大きな海原に出て行くような気持ちになります。しばらくは想定する中で進みますが、やがて気象条件は激しく厳しく変化していく。暴風雨が襲ってきたり、動きの取れない凪(なぎ)が訪れたりする長い航海を乗り切っていかなくてはなりません。自分の持っている経験も、身に着けてきた力も度胸も総動員して次を決断していく連続ですが、いざというときの判断は実は直感です。


◆追い込まれたときに発揮される力は必ずある――羽生善治

「経験に足をとられるな」 羽生善治が語る仕事 [2]
( 2006.01.15 朝日新聞 「朝日求人」《 仕事力――サバイバルは当たり前 》)

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羽生善治(はぶ・よしはる)
1970年埼玉県生まれ。小学2年生から将棋を覚え、5年生で
子供将棋大会で常勝。小学校名人戦で優勝後に奨励会入りし、史上
3人目の中学生プロ棋士となる。中学3年で四段。89年史上最
年少の19歳2カ月で竜王のタイトルを獲得。94年に九段。
96年には七冠すべてを制し将棋界最強の棋士となる。2005年
王座戦で史上初の14連勝を成し遂げる。永世棋聖、永世王位、
名誉王座(現在14連覇中)、永世棋王。その他多くの歴代1位の
記録を持つ。主な著書に「決断力」(角川Oneテーマ21)、
「挑戦する勇気」(朝日選書)、「羽生の頭脳」シリーズ(日本
将棋連盟)、「羽生善治のたたきの絶対感覚――最強将棋塾」
(河出書房新書)他多数。
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【増えていく常識は迷う材料となる】

実力を発揮していくには、やはり経験が必要であると思います。経験を積み重ねていくことでわかる道筋もあるし、いたずらに恐れを抱かず落ち着いて物事に立ち向かえる。非常に大切なことのひとつです。

ただそれは逆に、うまくいって成功した経験も、悪くなって失敗した経験も数多くなっていくことです。責任も重くなり負けるわけにはいかないというときや、悪い状況にあるときには、かつての苦い経験が頭をもたげてきて、どうしようかと迷う要因になってくるのです。今目の前にある戦局は過去の戦いとは違うはずなのに、自分の中に積み重なっている常識が顔を出してきて、そちらの判断に引きずられそうになる。

そういうものに打ち勝つ力、打ち勝てる理性というか、踏み込む力が年を追うごとに必要になってくるのではないかと思います。

私が10代のころに指していた将棋は非常に粗削りで、怖いもの知らずでどんどん前に進んでおりました。実は危ない場面も多かったのですが、経験がなく未熟であるがゆえとも言えます。しかし、それが勢いを生んでいたのかもしれません。一つひとつ石橋をたたいて渡ることばかりを選んでいると、その時々は賢明な判断に見えても、長い目で見れば活気や勢いを失っていくことになるのです。常識的な判断が正しいかと言えば、必ずしもそうとは限らない。それに頼ろうとする気持ちをどう振り切っていくか。今なすべきことは何かを今考える。挑戦とはそういう進み方だと思います。

【将棋はそのたびに未知の航海である】

勝負の席に着くと、私は大きな海原に出て行くような気持ちになります。しばらくは想定する中で進みますが、やがて気象条件は激しく厳しく変化していく。暴風雨が襲ってきたり、動きの取れない凪(なぎ)が訪れたりする長い航海を乗り切っていかなくてはなりません。自分の持っている経験も、身に着けてきた力も度胸も総動員して次を決断していく連続ですが、いざというときの判断は実は直感です。

自分が今日まで努力して積み上げてきたすべての力が働いて、無意識の中からぱっと出てくる、その考えに従っていいと思うのです。いくら情報を集めても、何手も先を読もうと努めてもそこには限界がある。私も次の判断がつかずに1時間も長考することがありますが、そのときは考えているというより、ただ、あちらがいいかこちらがいいかと悩みながら漂っているだけで、何も考えていないのと同じことです。

なぜそう決断したのか筋道を立てて説明しろと言われてもできない。「ただ直感で」というのは人を説得しにくいものですが、おそらく土壇場での直感の7割は正しいと私は感じています。体験や知識を土台にしながらも、さらに踏み込んでいく力を持っているのが人間の本質ということなのかもしれません。追い込まれたときに発揮される力は必ずあるのです。
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