電脳筆写『 心超臨界 』

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( マーク・トウェイン )

不都合な真実 《 ドル石油本位制——藤井厳喜 》

2024-10-24 | 05-真相・背景・経緯
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現在のアメリカの置かれたポジションを考えると、ドルの軍票としての性格がより強まってくると考えられる。ドルをもった場合、何を買うことが出来るかといえば、もちろん、石油も金も買うことが出来る。しかしそれに加えて1国の安全を買うことが出来る。つまりアメリカに米ドルを支払うことによって、アメリカ軍の保護を受けることが出来るのである。


◆ドル石油本位制

『米中最終決戦』
( 藤井厳喜、徳間書店 (2020/7/1)、p54 )

筆者はかねてから現在の通貨制度は、ドル石油本位制であると主張してきた。かつてはドル金本位制であった。産業社会で最も必要にして有用な物資である石油はドルでなくては買えない。別の言い方をすれば、ドルの価値の裏打ちを石油がしてくれていることになる。これを「ドル石油本位制」という。その石油の価値が著しく低下してしまった。

つまりドルと石油の相対関係でいえば、ドルの価値が上がって、石油の価値が下がったのである。これはデフレ現象である。ドルが強くなったのだから、国家アメリカとしては、より大量のドルを発行しても、インフレが起きにくい体制になったわけである。そこで安心してFRBは国債大量購入に踏み切ることが出来るのだ。この意味で、原油暴落とFRBの無制限国債買い取りは表裏一体の現象である。

現在のドルを支えている本位財である原油が値下がりしてしまったので、その1つ前の時代の本位財である金が再注目され、再び価値が上がってくるのは当然の結果であろう。

従来、ドルの価値の裏付けをしていたのは、石油と米国の軍事力の2つであった。ドル石油本位制を維持する装置として、米軍の実力が必要とされていたからである。米ドルの通用を強制的に担保するものとしての軍事力が必要なのである。「アメリカ経済の実力」と「米軍の力」が相まって、ドルの価値を支えていたといえるだろう。国民経済の生産力という裏付けのない通貨は、軍票である。軍の強制力のみによって通用している通貨が軍票なのである。「国民経済の生産力」と「国家の軍事力」の掛け算によって、一国の通貨の国際通用性が決まってくると考えられる。

現在のアメリカの置かれたポジションを考えると、ドルの軍票としての性格がより強まってくると考えられる。ドルをもった場合、何を買うことが出来るかといえば、もちろん、石油も金も買うことが出来る。しかしそれに加えて1国の安全を買うことが出来る。つまりアメリカに米ドルを支払うことによって、アメリカ軍の保護を受けることが出来るのである。

サウジアラビアも日本も、そのようにして国防のために米ドルをアメリカに還流している。

つまり軍票には使い方があるのだ。実際、トランプ政権は、アメリカの庇護を受ける同盟国から、より多くの同盟分担費用を獲得しようと政治的圧力をかけている。つまり「ボディーガードの給料をもっと上げてくれ」というわけである。

そういった形で米ドルは本国に還流するのである。今後、そのような米ドルの機能がより強くなってゆくだろう。

混乱期にはインチキ宗教や詐欺が流行・横行するようになるので、特に要注意である。価値観そのものが大逆転する。その意味では、明治維新や大東亜戦争敗戦に匹敵する社会の革命的な変化である。

価値観が変われば、社会における物事の市場価値も大変動する。旧社会の資産を新社会の資産に転換しなければならない。それをやる絶好の機会が、第1波の後に訪れる小康状態である。

自分の価値観をシッカリと把握しておくことが大事だ。人生の優先順位を明確にしておく必要がある。そうしておけば、他人に扇動されて資産を失うことはない。
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