電脳筆写『 心超臨界 』

手本は人を教える学校であり
他からは何一つ学べない
( エドマンド・バーク )

回船業の借金返済のため幼い時から重労働に従事する――双葉山

2024-02-20 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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彼らの第4コーナー「 双葉山」
  [1] 地元で愛された「神様」と「人間」
  [2] 戦後の混乱 神様から人間へ
  [3] 雲の上の人でも親しみやすさ
  [4] 最愛の娘の死に悲しみ深く
  [5] 人を包み込む温かさの魅力


6歳で右目を失明し、11歳で錨(いかり)を巻いている際に右の小指の先を失う。逆境に立ち向かう強い信念は、各界入りしてさらに厚い信仰心のよろいに包まれ、無敵となる。信仰と信念を貫いた56歳の至高の人生だが、晩年は「人間双葉」の記憶を人々に残している。


[1] 地元で愛された「神様」と「人間」
(「彼らの第4コーナー」08.11.02日経新聞(朝刊))

12月16日は双葉山、没後40年にあたる。

10月中旬に訪れた横綱生誕の地。大分県宇佐郡天津村布津部(現宇佐市大字下庄)では、遠浅の豊前の海に連なる小さな生家がにぎわいを見せていた。豊富な資料を収める展示室とともに地域おこしの「双葉の里」として9年前に生まれ変わり、地縁の人々に支えられて観光名所になっている。

不滅の69連勝を記録した双葉山はこの地ではいまも「神様」である。しかし地元に帰れば横綱であろうが、近所の人は「定次」「定」と呼び、これに「ハイ」と偉ぶることがなかったという。

故郷ではあの双葉山の近寄りがたい厳(いか)めしさが消えている。時津風理事長時代も毎年、九州場所には地元の人を大型バスを仕立てて相撲に招待した。消防の最新式ポンプ一式や中学校建設資金の一部も寄贈している。

人前で話すことが嫌いな親方が母校の天津小学校では全校生徒の前で何度か話している。

故郷に帰れば「布津部の海でとれるアミ(小さいエビ)飯を何杯でも食いよった。岩についている小さいカキも大好きで、おろし酢じょう油で食べたなあ。いまみんなとれん」。双葉山より7つ下で親せきの岡久代さん(90)は、双葉山と同じ日に結婚式を村で挙げている。

昭和14年(1939年)4月29日のことで、70連勝がついえて3カ月後のことだった。

かつての双葉山のご近所同士が「双葉の里」で昔話に花を咲かせる。「もう双葉、双葉ってねえ、双葉山で人生は終わってしまったなあ」。そう言いながら岡さんは実に幸せそうな笑顔を見せた。双葉の里は素顔と伝説が交錯する異空間でもある。

兄妹は出生後、すぐ亡くなった。9歳で自分似の母みつゑを亡くした。家庭的には恵まれず、双葉山は祖母きつに育てられた。父の義広の代で家運が傾くと回船業の借金返済のため幼い時から重労働に従事する。「家貧しくして」の典型であろう。

6歳で右目を失明し、11歳で錨(いかり)を巻いている際に右の小指の先を失う。逆境に立ち向かう強い信念は、各界入りしてさらに厚い信仰心のよろいに包まれ、無敵となる。信仰と信念を貫いた56歳の至高の人生だが、晩年は「人間双葉」の記憶を人々に残している。

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双葉山定次(ふたばやま・さだじ)
1912-1968年。大分県宇佐郡天津村生まれ。本名、穐吉定
次。不世出の大横綱。39年1月場所4日目に安芸ノ海に敗れ、連
勝は六十九で止まる。45年11月に引退表明。時津風襲名。47
年、呉清源と新興宗教の壐光尊の元に走り金沢で保護される。57
年相撲協会理事長に就任。68年12月16日、死去。
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(編集委員・工藤憲雄)
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