電脳筆写『 心超臨界 』

真の発見の旅は新しい景色を求めることではなく
新しい視野を持つことにある
( マルセル・プルースト )

人間通 《 我流――谷沢永一 》

2024-07-17 | 05-真相・背景・経緯
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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若くして読書癖を身につけた人は、幸運にも早い時期に意気投合する本に出交(でくわ)した偶然の恩恵に拠(よ)る。現在何歳であろうと、本との出会いに遅すぎるということはない。これこそ読むに足ると雀躍(こおどり)する書物を探しだすまでの、僅(わず)かな忍耐が実は非常に重要なのである。この場合の要諦(ようてい)は我流に徹する決意であり、世間の評判など気にしてはならぬ。


◆我流

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p109 )

財布は空(から)になったが、机の上は堆(うずたか)く書物の山である。それを片っ端から読んでいく。むかし流行(はや)った殆(ほとん)どの読書論では、読み初めた本は最後まで忍耐づよく読み通せと教えた。人を徒労に追いやる実害の邪説である。単なる紙の束にすぎぬ本に可憐(かれん)な義理立てなど要るものか。幾らか読み進んで嗚呼(ああ)これは詰まらぬと思ったら、無駄な時間を費やすのはやめて直ちに本を捨てるべきである。これは難しくて解(わか)らんと感じたらそれも捨てる。自分の学識が次第に深まった近い将来、やっぱり読む必要があると悟ったとき改めて買い直せばよいのである。こうして一冊目二冊目三冊目と打棄(うっちゃ)ってゆくうち、おやおやこれはと惹(ひ)きこまれる本に出会うだろう。それが今の自分に役立つ間に合う本なのだ。人間関係ではどうしても相性(あいしょう)のよい人と悪い人とがある。気の合う者と合わぬ者がある。書物と人間の場合もよく似ていて、相性の良し悪(あ)しはどうやら避けられぬかのようである。

若くして読書癖を身につけた人は、幸運にも早い時期に意気投合する本に出交(でくわ)した偶然の恩恵に拠(よ)る。現在何歳であろうと、本との出会いに遅すぎるということはない。これこそ読むに足ると雀躍(こおどり)する書物を探しだすまでの、僅(わず)かな忍耐が実は非常に重要なのである。この場合の要諦(ようてい)は我流に徹する決意であり、世間の評判など気にしてはならぬ。書物は精神の食物である。誰がなんと言おうと自分が美味(おい)しいと満足できたらそれで十分ではないか。喜んで楽しんで食べた食品は我が身の栄養となるであろう。読書の眼目は我流であり自家用である。
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