電脳筆写『 心超臨界 』

明日死ぬものとして生きろ
永遠に生きるものとして学べ
( マハトマ・ガンジー )

農業が工業に変わる――丸元淑生

2024-07-06 | 09-生物・生命・自然
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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インディアナのロチェスターにピーチャー・アーリンダ・エレンという名の乳牛がいるのだが、彼女は305日の測定期間中に71,641キログラムの乳を出した。年間にすれば85,734キロである。企業や科学者たちの関心はいまこの乳牛に向かっている。米国のいくつかの企業は以前から、エレンの子牛の争奪戦をくり広げてきたのだが、科学者たちが研究しているのはエレンの卵子の移植の技術と、遺伝子操作によってエレンを複製するクローン技術である。


◆農業が工業に変わる

『何を食べるべきか―栄養学は警告する』
( 丸元淑生、講談社 (1999/1/1)、p57 )

インディアナのロチェスターにピーチャー・アーリンダ・エレンという名の乳牛がいるのだが、彼女は305日の測定期間中に71,641キログラムの乳を出した。年間にすれば85,734キロである。

リーランドの55頭の牛のうち、最も乳量の多いものでも年間13,500キロというのだから、エレンの泌乳量は桁違いの多さである。エレンはまさに乳牛の女王で、所有者のハロルド・L・ピーチャーに大きな利益をもたらしている。

企業や科学者たちの関心はいまこの乳牛に向かっている。米国のいくつかの企業は以前から、エレンの子牛の争奪戦をくり広げてきたのだが、科学者たちが研究しているのはエレンの卵子の移植の技術と、遺伝子操作によってエレンを複製するクローン技術である。

それらの技術の専売特許がとられた場合には、利益はその企業に独占されることになる。そして、農民はむろん他の企業も完全に競争力を失うことになるだろう。その結果、一企業が牛乳の生産に決定的な力をもつことになるに違いない。

そうなるともう農業ではなく工業で、酪農ということばも死語になってしまうだろうが、そこでは牛は食べる機械であり、食べたものを乳に変える装置である。

現在でもエレンはほとんど食べる機械のようなもので、ぶらぶら遊ぶことも、いねむりすることも、子牛と追いかけっこをすることもなくなっている。なにかの理由で食欲を満たすことができなくなった彼女は、ただひたすら食べるのみの存在になっているのだ。乳量が多いときの彼女が一日に食べる量は、穀類が27キロ、アルファルファの干し草が31.5キロ、水240リットル(約63ガロン)である。

彼女は起きている時間のすべてを費やしてそれを食べる。そして乳に変えるのだが、遺伝子操作によって科学者たちは、エレンの複製をより完全な“機械”につくりかえていくだろう。

食管法をはじめとする法的規制がとり除かれてコメが自由化されたとき、わが国の農民にとって最終的な脅威となるのは、タイ米でもカリフォルニア米でもなく、実は巨大資本とハイ・テクノロジーをもった他ならぬわが国の企業であることを予想しておかなくてはならない。理論的には牛乳同様、コメを工場生産することは可能なのだ。栄養的価値は劣っていても、見た目はコメであって、大多数の人においしいと感じられる味をもち、さまざまな調理法にも適しているという、いろんなタイプのコメが安く生産されるとしたら、いま最も安いといわれるタイ米にもおそらく競争力はなくなるだろう。
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