こころの一冊 《 「くんちゃんのもりのキャンプ」――坪内啓子 》

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■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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　　人生は良書だと思う
　　深く入り込めば入るほどより豊かな意味が見えてくる
　　( ハロルド・Ｓ・クシュナー )
　　I think of life as a good book. The further you get into it,
　　the more it begins to make sense.
　　( Harold S. Kushner, American rabbi, 1935- )


主人公は元気のいい小熊(こぐま)のくんちゃん。ある日、いとこのアレックが背中にリュックを背負ってやってきました。「キャンプにいくんだ。いっしょにいかない？」。くんちゃんもリュックを背負い、「帰り道を間違えるんじゃないよ」というお父さん、お母さんの声を背に森に入っていきます。


◆「くんちゃんのもりのキャンプ」
　【 ドロシー・マリノ・作、まさきるりこ・訳、ペンギン社 】

鳥たちと心通わす小熊――福井市立図書館・坪内啓子
（「こころの一冊」08.07.25日経新聞（夕刊））

この絵本は夏の読みきかせの定番にしています。

主人公は元気のいい小熊(こぐま)のくんちゃん。

ある日、いとこのアレックが背中にリュックを背負ってやってきました。

「キャンプにいくんだ。いっしょにいかない？」

くんちゃんもリュックを背負い、「帰り道を間違えるんじゃないよ」というお父さん、お母さんの声を背に森に入っていきます。

わくわく、きょろきょろするくんちゃん。２匹が歩いていくと、木の上にコマドリがいました。くんちゃんが何をしているの、と呼びかけると、コマドリは巣を作っていると答え、どこに行くのと尋ねます。くんちゃんはキャンプと答え、帰りにまた会おうねと言って先に進みます。

次は池に浮かんでいるアヒルに、泳ぎ方を聞き、またカワセミに、魚の取り方を教えてもらいます。それからくんちゃんとアレックは湖までやってきて、そこでキャンプ。

くんちゃんは、コマドリに聞いたやりかたで木の上に巣を作りますが、夜中、巣もろとも落っこちてしまいます。アヒルの泳ぎ方もうまくいかず、カワセミの魚の取り方も失敗でした。アレックはくんちゃんにクマらしいやり方を教えてくれます。

ところが帰る途中、帰り道をちゃんと覚えていたのは、くんちゃんでした。

分かれ道に出ると、正しい道を選んで、カワセミ、アヒル、コマドリにまた会うことできます。

子供たちは、くんちゃんが失敗するところではおかしそうにしていますが、くんちゃんが道を間違えないで進むところがお気に入りのようです。

訳者はあとがきで、コマドリたちと出会って心をかよわせたからこそ、くんちゃんは自分の通ってきた道を心に刻むことができたのだろうと述べています。

柔らかい黒い線に、薄い草色だけで彩色された地味な絵本ですが、一緒に読むたびに子供たちをひきつける力を感じます。