電脳筆写『 心超臨界 』

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( ブリガム・ヤング )

人間通 《 改革官僚——谷沢永一 》

2024-05-26 | 05-真相・背景・経緯
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進駐軍の指令に基づく謂(い)わゆる戦後改革のうち、農地解放のように滑らかに支障なく成功した部面は、すべて十年の歳月をかけた立案と検討の結果である。反対に教育制度改革の如くなんの準備もなくして一方的に押しつけられ、唯々諾々(いいだくだく)と呑(の)んだ泥縄はいまに至るもなお十分に適応していない。


◆改革官僚

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p160 )

革新官僚が華やかな舞踏会に興じているその陰に隠れて、改革官僚とでも呼ぶべき意慾(いよく)的だが地味な方向を採る男盛りの連中が、農地改革を中軸とした経済更正による日本社会再編成の構想を練っていた。彼等は卓袱台(ちゃぶだい)を蹴(け)って引っくりかえす如(ごと)き乱暴な変革を意図したのではない。たとえば代表的な和田博雄(ひろお)が熟慮して目指すところ、現行の組織のもとで日本の農業生産力を阻害している社会的条件を除く措置によって、農業所得の増大を計り農民生活を安定向上させる方法があるのだとの見通しである。彼等は無理のない綿密な青写真を用意していた。進駐軍の指令に基づく謂(い)わゆる戦後改革のうち、農地解放のように滑らかに支障なく成功した部面は、すべて十年の歳月をかけた立案と検討の結果である。反対に教育制度改革の如くなんの準備もなくして一方的に押しつけられ、唯々諾々(いいだくだく)と呑(の)んだ泥縄はいまに至るもなお十分に適応していない。

便乗という言葉の語感はよくないけれども、改革官僚が存分に設計図を準備できたのは、非常時に際して従前にない大規模な国策を樹立しなければならぬと、世を挙げて走りだしているような気運に乗じたゆえであろう。明治以来の秀才(エリート)官僚が常に十年先きの構図を練っていたわけではない。しかしまた官僚に構想力がないと決めつけるのは酷である。ただ彼等の本性は流し素麺(そうめん)のように手許(てもと)へ来た書類を手早く片づける事務機械であるから、放っておいてはなんの案(プラン)も出さぬであろう。彼等の未来構想を絞りだし活用するためには、社会的な要請および気運という圧搾機(あっさくき)が必要であるのかもしれない。
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