司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

退任を証する書面 その1

2010年02月12日 | 商業登記
本日は、取締役や監査役が任期満了によって退任する場合の「退任を証する書面」について考えてみたいと思います。

実務では定時株主総会議事録がその書面になるように作っています。つまり、役員改選議案に「取締役全員が本定時株主総会の終結をもって任期満了退任するので。。。。ウンヌンカンヌン。。」と書かれていれば、議事録が任期満了退任を証する書面となるのです。
ワタシどもは事前に議事録の内容を確認するので、もしその記載がなかったら議事録の作り直しをお願いするなどで対応します。なので、議事録以外のモノを添付することはほぼありません。

この取扱いは先例(S53.9.18 民四5003号)で認められていて、「会社が任期満了したって言ってるんだから、そのとおりに解釈してあげましょう♪」という便宜的な扱いですよね。

では、そういう議事録を作らなかったらどうでしょう?
実は昨年、事務所の新人さんと話をしていてフト思ったことがあります。「私が知っていたことは、会社法下でも同じかな?」ってことです。ちょびっと細かいハナシになってしまいそうですが。。。^^;

会社法施行前は、株式会社の取締役の任期は2年でした。ただし、今で言うところの「就任(現在は選任ですね)後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものにかかる定時株主総会終結時まで」と定款で規定することが認められていました。これが最長です。
また、定款によって任期を短縮することは問題なく、1年にしたり、補欠・増員規定を設けることはOKでした。

ただし、実務上は2年の確定任期を採用している会社はほとんどなく、2年ごとに定時総会で任期満了する定款規定を置き、途中で交代や増員があっても同じ時期に任期が満了することにしていました(任期管理しやすいし、退任と同時に就任させられる(=重任)というメリットがあります。)。
そこで、会社法では、法律で定める原則的な任期=実務で採用されている任期 と変更しています。

これを踏まえて。。。

2年ごとの定時総会で任期満了するケースで、会社法施行前に任期満了退任を証する書面は何だったかというと。。。定款と定時株主総会議事録です。
ちなみに2年の確定任期の場合は何も要りません。登記された就任日をベースに計算するだけでした。初日参入かどうかという点はありましたケド、そこまでは証明しなくても良かったみたいです。

定款は任期の定めと事業年度を証明するため、定時株主総会議事録は退任時点を証明するために添付します。

つまり、定時総会の議事録は選任議案があればどっちみち添付しますから、定款をプラスするだけです。なんだ、簡単!
。。。ィャィャ。。。ソレほど簡単でもないデス。もうちょっと続きます。
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